Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
前年度には、妊娠期から授乳期の母獣マウスがω3多価不飽和脂肪酸(PUFA)を多く含有する魚油食を摂取すると、コントロール食あるいはラード食と比較して、乳仔期マウスの肝臓における脂肪酸β酸化関連遺伝子が有意に増加することを見出した。本年度はこれらの変化がDNAメチル化によるのか否かを明らかにするために、DNAメチル化について網羅的に解析した。母獣マウスがω3PUFAを多く含有する魚油食を摂取した産仔マウスの乳仔期における肝臓では、多数の遺伝子がDNA脱メチル化されており、遺伝子発現が増加していた脂肪酸β酸化関連酵素群はDNA脱メチル化を伴って遺伝子発現が増加していることが明らかになった。産仔マウスの胃内容物より、母獣マウスの乳汁の脂質成分をガスクロマトグラフィー法にて解析したところ、母獣マウスが摂取した食餌中の油脂の脂肪酸組成をほぼ反映しており、EPAやDHAなどのω3PUFAが母獣マウスの食餌に由来することを確認した。以上により、ω3PUFAは母乳を介して乳仔期のマウスの肝臓における遺伝子発現を変化させること、この変化がDNAのメチル化状態により制御される可能性が示唆された。乳仔期のDNAメチル化状態がもたらす成獣期における代謝機能に対する影響を明らかにするため、離乳後~6週齢まで普通食により各群の産仔マウスを飼育した。体重、肝重量、血糖値、血中コレステロール値と中性脂肪値などの糖脂質代謝パラメーターを解析したが、母獣マウスの魚油食群をコントロール食群あるいはラード食群と比較して有意差は認められなかった。しかしながら乳仔期における脂肪酸β酸化関連遺伝子のDNAメチル化状態は成獣期でも維持されており、ω3PUFAによるDNAメチル化状態がエピゲノム記憶される可能性が示唆された。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nat. Commun.
Volume: 9
120007134467
Thyroid
Volume: 28 Issue: 3 Pages: 395-406
10.1089/thy.2017.0331
実験医学増刊「遺伝子制御の新たな主役 栄養シグナル」
Volume: 34 Pages: 95-101
実験医学
Volume: 34 Pages: 351-336
http://www.intmed3.med.kyushu-u.ac.jp/
https://sites.google.com/site/lipoqualityjpn/public-offering-study/1706