Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
細胞膜やオルガネラ膜などの生体膜には、様々なクオリティを持った脂質が独自の特異性にしたがって局在する。このヘテロな脂質クオリティの分布はそれぞれの生体膜に固有の特性や機能を付与し、これによって細胞は様々な生理機能を発揮することが可能となると考えられる。したがって、「脂質クオリティのヘテロな細胞内分布」制御は極めて重要であるが、そのメカニズムは不明である。神経細胞は、軸索を伸長することでターゲットとなる細胞とシナプスを形成する。その軸索成長・伸長過程は極めてダイナミックな現象であることから、脂質クオリティ制御機構の解析において有用なモデルとなると考えられる。そこで、神経細胞の成長を司る軸索先端領域である成長円錐の脂質クオリティを明らかにするために、ラット胎児脳から生化学的に調整した成長円錐膜画分を用いて質量分析による脂質クオリティ解析を試みたところ、イノシトールリン脂質において成長円錐膜画分に顕著に濃縮されている脂質クオリティを見いだした。また、ラット胎児脳の成長円錐膜画分プロテオーム解析から得られた分子群のうち、極長鎖脂肪酸合成に関与する酵素に着目し種々の生化学的・細胞生物学的解析を行ったところ、極長鎖脂肪酸合成酵素は伸長する神経細胞の成長円錐において小胞体に局在し、伸長に伴い極めてダイナミックな挙動を示すことが判明した。さらに、極長鎖脂肪酸合成酵素のノックアウトマウスは胎生致死であることも判明した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Cell Reports
Volume: 18 Issue: 9 Pages: 2203-2216
10.1016/j.celrep.2017.02.008
Leading Author's
Volume: 5 Pages: e008
10.7875/leading.author.5.e008