Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
生体の温度センサーの分子実体であるTRPチャネルは、サブタイプにより様々な温度閾値がありそのチャネル開口が制御される。一方、TRPチャネルは温度のみならず、脂質を始めとする生体内代謝物により温度の閾値やチャネルの開口が変化することも知られる。我々は膜リン脂質とリゾリン脂質に着目した研究を背景としており、これら脂質がTRPチャネルの活性にどのように影響するかについて、特にGタンパク質型受容体の解析で確立してきたアッセイ手法をTRPチャネルに応用することで、その活性制御機構の解明を試みた。当該年度において、主要研究課題である「TRPチャネルの活性に影響を及ぼす脂質の網羅的探索」に関して、TRPV1、TRPV3、TRPM7、TRPM8、TRPA1に対してリン脂質誘導体と脂質化合物ライブラリーを用いて、そのTRPチャネルの活性化をTGFα切断アッセイにより評価した。さらにこれら脂質によるTRPチャネルの抑制効果をTRPチャネルのアゴニストの競合作用により評価した。その結果、アナンダミドとその類似化合物がマイクロモーラーからサブマイクロモーラーのオーダーの濃度でTRPV1とTRPA1を活性化することを見出した。また、前年度までの研究によりイノシトール含有リゾリン脂質がTRPV1を活性化することを見出していたことから、本年度では細胞膜で内在的に産生・代謝回転されるリゾ脂質がTRPチャネルの活性に与える影響について調べた。質量分析計を用いた脂質解析により、アシルCoAコレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤の1つを培養細胞に添加することでリゾリン脂質アシルトランスフェラーゼを阻害することで2-アシル型リゾホスファチジルイノシトールが顕著に蓄積することを見出した。TRPV1発現細胞に本化合物を添加すると、高温条件でTRPV1の活性化レベルの上昇が観察された。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://www.pharm.tohoku.ac.jp/~seika/H28/index.html