Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では、各酸化ストレス関連分子(以下、ROS関連分子)の存在下でのみ特異的に活性化される生体分子修飾剤を基盤とし、細胞外流出や分子の拡散に左右されずに生体内のROS関連分子の発生を化学種特異的に蛍光マッピングできる新技術の確立を目指す。本手法ではシグナル分子が生体組織へと共有結合により定着するため、組織透明化や固定化等に耐えることが期待できる。また、ROS関連分子応答部位とシグナル分子がそれぞれ構造的に独立しているため、蛍光シグナル分子には近赤外蛍光団から超解像観察用蛍光分子にいたる任意の色素を導入でき、様々な蛍光観察法に対応可能なイメージング技術要素となると考えた。具体的には、強力な求電子剤であるキノンメチドを各種のROS選択的に発生させることで、標的とする化学種が発生している場所の近傍でのみ生体分子と共有結合を形成し、その場に滞留させる分子を設計した。前年度では、スーパーオキシドと二価鉄イオンに対するプローブを合成・評価し、蛍光応答は得られるものの、加水分解反応に伴う背景光の上昇が問題となることを報告した。そこで今年度は、キノンメチド発生部位の構造最適化研究を実施し、加水分解反応を抑え、かつスーパーオキシドとの反応による蛍光応答を確認できた。しかしながら、反応速度が十分でなく、細胞内での機能は認められなかった。さらに、酸化ストレスの根源であり、ごく短寿命なヒドロキシルラジカルを標的とし、より反応速度を追求したプローブ分子の開発を実施し、合成を達成した。一方、生体内鉄の中でも特に活性なヘム鉄を標的としたプローブ分子を開発し、低収率ではあるもののタンパク質への修飾反応を起こすことに成功した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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