Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究の目的は、自分が他者と直接的に関わる二人称視点や間主観性を意識した共感の実験パラダイムを構築し、よりリアルな状態での共感性の神経メカニズムを捉えることである。我々は、お互いの心の内にあるモノやそのモノにまつわるコトについての共有があり、またそれをベースとしたある種の共感(日常的に使われる言葉としてのいわゆる‘共感’)が存在するのではないかと考え、この神経メカニズムを二人称視点・間主観性の観点から明らかにすることを目指した。具体的には、自分の内にあるモノに対する自分の好みや自分との距離に注意を向け、互いにそれを表明したときの意見の一致・不一致による共感・非共感の神経基盤の同定を試みた。比較対象として、共同注意課題のうち、視線の移動が少ない特徴に注意を向けるタイプの共同注意課題を用いた。実験の結果、自分の内にあるモノについて注意を向ける際には、外のモノに注意を向ける時より、左下前頭回、左角回、左側頭極、背内側前頭前野、後部帯状回、右小脳半球、海馬・海馬傍回、下後頭回の活動が高まることが明らかとなった。また呈示されたモノの好みの表明の順番による神経基盤の違いについても検討したところ、自分と相手の意見が一致し、さらに自分が先に好みや距離についての意見を表明した際には、それが外部にあるモノの特徴についての意見の一致した場合より、左角回、左側頭極、背内側前頭前野、後部帯状回、右小脳半球の他、尾状核の活動が高まるが、自分が後の場合には、両側側頭極、背内側前頭前野、右小脳半球のみの活動にとどまることが明らかとなった。一方、不一致の場合も一致の場合と似た活動を示すが、先行の場合、左扁桃体、左下前頭回・島の活動が認められた。さらに、残差時系列データによる解析の結果から、このようなやりとりをしている両者は、ペア特異的に右側頭頭頂接合部と右上側頭溝後方部の脳活動の同期が高まることがわかった。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2017 2016
All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results, Open Access: 3 results) Presentation (9 results) (of which Int'l Joint Research: 6 results, Invited: 2 results)
Neuroscience
Volume: 352 Pages: 192-203
10.1016/j.neuroscience.2017.03.064
Autism Research and Treatment
Volume: 2017 Pages: 8195129-8195129
10.1155/2017/8195129
Social Neuroscience
Volume: - Issue: 5 Pages: 1-13
10.1080/17470919.2017.1365760