Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では、海馬のセルアセンブリの逐次活動が実際にどのように時間を計測するのに利用されているのかそのメカニズムを明らかにすることを目的とした。まず、行動課題として、時間の計測を必要とする意思決定課題(インターバル計時課題)を確立した。これは、自由行動下のラットにおいて、数秒から十数秒の時間計測(インターバル計時)を行わせ、その時間の長さによって右か左の報酬場所の選択を行う行動課題である。課題はブロック式とし、ブロック1では5秒と10秒の弁別、ブロック2では10秒と20秒の弁別、ブロック3では再び5秒と10秒の弁別を行うプロトコールとした。このインターバル計時課題を行っているラットのニューロンの活動を観測するため、多チャンネルシリコンプローブを用いた大規模細胞外記録実験を行い、数十個のニューロンを同時に測定する実験を行った。その結果、海馬のニューロンは計時中の経過時間にともない、逐次的な発火活動を行うことを確認した。また、これらのニューロンの活動は、海馬のシータ波(7~11Hz)に強く影響されており、個々のニューロンはシータ波に対し位相前進を示すことお明らかにした。さらに、ブロック間での神経活動の変化を調べたところ、セルアセンブルの逐次的活動は弁別する時間の長さに対して相対的に変化することが明らかになった。この結果は、海馬の時間細胞の時間受容野は計測する時間の長さに対してフレキブルに伸縮することを示唆しており、海馬における計時のメカニズムを明らかにするうえで重要な知見であると考えられる。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Science
Volume: 359 Issue: 6372 Pages: 213-218
10.1126/science.aao3898
Volume: 359 Issue: 6383 Pages: 1524-1527
10.1126/science.aao0702
Neuron
Volume: 94 Issue: 6 Pages: 1248-1262
10.1016/j.neuron.2017.05.024
http://www.riken.jp/pr/press/2017/20170609_1/
http://www.riken.jp/pr/press/2018/20180112_1/