Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
大規模がんゲノム解析により、がん組織において多数の体細胞変異が検出されているが、分子標的となるドライバー変異が全てのがん組織で検出されるわけではない。肺がんはメラノーマと同様に体細胞変異が多く検出されるがん種であることから、同様に免疫応答の違いが治療効果に影響を与えている可能性がある。しかし、免疫応答に関わるHLA(Human Leukocyte Antigen:ヒト白血球抗原)領域は非常に多様性に富むため、ゲノム解析はあまり行われてこなかった。そこで、国立がん研究センター中央病院にて、病理学的に肺腺がんと診断され完全切除されたStage I-II期であった624例に対して、日本人レファレンスパネルを基にHLA-imputation法を行った。バリアントやHLA遺伝子座のアミノ酸変化を伴う多型の推定結果を基に、Cox 比例ハザードモデルを用いて術後再発リスクとの関連解析を実施した。さらに、いくつかの関連が認められたバリアントについては検証実験を実施した。具体的な検証研究として、stage I-II期の424例を用いて再現性の有無を検討したところ、HLA-class IIのあるDRB1アレルに強い関連を認めた。しかし、全ゲノムレベルと言われるP < 5 ×10-8を下回らなかったため、さらなる検証実験が必要である。さらに同様にして、プラチナダブレット療法を受けた614症例の無増悪期間とHLAアレルとの関連解析を実施し、一部のHLAアレルで無増悪期間と関連する結果が得られた。現在検証研究を実施するための症例の準備を進めている。本研究を通して、HLAアレルの違いが治療応答性や予後に影響を与える可能性が示された。引き続きHLAアレルの違いによって、がん組織中のネオアンチゲンの種類や量と相関するかどうかの検討、実際に培養実験等を用いた免疫活性化能の差異を検討する予定である。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2017 2016
All Journal Article (3 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Peer Reviewed: 3 results, Open Access: 2 results, Acknowledgement Compliant: 2 results) Presentation (1 results)
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