Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では,微小電極アレイを用いて,視床・聴覚野の活動を同時計測し,両領野の相互作用による発振パターンと情報流を関連付け,聴知覚と発振現象の因果性を検証することを目的に進めた.本年度の成果として,第一に,ラット頭部に固定具および電極アレイを埋め込み,頭部を固定した状態で覚醒・行動下の脳活動を慢性計測できる実験系を構築した.実際の実験では,ラットにレバーを操作させて,知覚を報告するように訓練した.これらを用いて,ラットの可聴閾値音圧を調べ,閾値付近でのラット聴覚野の神経活動を調べた.その結果,知覚を報告した試行では,知覚を報告しなかった試行とは異なり,長潜時の緩反応成分を認めた.このように,新たに設計した実験系により,意識に上る聴知覚に関わる神経反応を同定できた.第二に,多点同時計測した脳活動パターンの解析手法として,力学系理論に基づいた時間遅れ再構成法を開発した.この数理的手法により,脳の自発活動の時空間パターンを解析し,自発活動が同期バースト状態になる前に,個々の神経細胞の活動パターンに将来の自発同期バーストを予測する「予兆」が隠されていることを示した.その予兆の特徴として,周囲の細胞と強く結合した興奮性の細胞の活動に認められること,瞬間的な活動の強さだけではなく,各神経細胞の活動の時間的なパターンが重要であること,ネットワーク全体の平均的な揺らぎをみるよりも,特定の1つの細胞の活動に注目した有効であることなどを明らかにした.ここでは脳の自発活動を研究対象としたが,将来的にはてんかん発作の高精度な予測や意識に上る知覚を生み出す情報処理を制御する方法に応用できる可能性がある.
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Neuroscience Research
Volume: 印刷中 Pages: 52-62
10.1016/j.neures.2018.03.007
Audiology Japan
Volume: 61 Pages: 160-169
Proceedings of the National Academy of Sciences
Volume: 114 Issue: 36 Pages: 9517-9522
10.1073/pnas.1705981114
Electronics and Communications in Japan
Volume: 100 Issue: 5 Pages: 34-43
10.1002/ecj.11955
210000183044
Frontiers in Neural Circuits
Volume: 11
10.3389/fncir.2017.00002
http://www.brain.rcast.u-tokyo.ac.jp/~takahashi/
http://www.brain.imi.i.u-tokyo.ac.jp/~takahashi/