Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
低放射線雑音化を目指して開発を進めたThrough Silicon Via(TSV) μ-PICであったが、基板が半導体であるために基板内での電荷移動が起き、得られるガス利得の時間安定性に大きな不定性を生じてしまった。この為、絶縁体であるガラス基板を用いたThrough Glass Via(TGV) μ-PICを400 μmピッチと215 μmピッチの2つ製作し、その評価を行った。400 μmピッチの物は低雑音化前のポリイミド基板によるμ-PICと同程度のガス利得が得られた。215 μmピッチも良好に動作し、中性子ビームを用いた画像化では100 μmを切る高解像度の透過イメージも確認された。一方で、400 μmのガス利得はシミュレーションから予想されていた値よりも数倍低かった。検証を進めたところ、シミュレーションで使用するガラスの誘電率に仕様書記載の1 MHzでの値(~3)を用いていたが、実際に影響するDC成分に対する誘電率は~30とそれよりも大きく、またガラス表面に塗布していたポリイミドとの誘電率の違いが陽極への電場集中を妨げている、という事が見えてきた。この為、ポリイミドが無いTGV μ-PICも作成した所、ガス利得は1.6倍程に、エネルギー分解能も5.9 keVで18%(FWHM)と大きな改善が見られた。更に表面のポリイミドが無くなった為、放電に対する耐性も強くなり、TGV μ-PIC単独で15,000のガス利得を連続して1日以上得ることができるようになった。今後、ガラス基板の低雑音化の為、人工石英ガラス基板の導入を検討する。荷電粒子飛跡の高精度化に向けては、現行のμ-PICのX軸とY軸の2方向へストリップ読み出しに対して、3軸目を新たに導入すべく陰極を上下2段にした新しい電極構造を検討した。シミュレーションから良好な結果が得られた為、実際の製作検討を開始した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results) Presentation (7 results)
EPJ Web of Conferences
Volume: 174 Pages: 02010-02010
10.1051/epjconf/201817402010