Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
粒子(物質)と反粒子(反物質)が質量を介して転換可能であることを証明するためには、"ニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊" の測定が必要である。本申請では、カルシウム48(48Ca)の二重ベータ崩壊の高感度測定装置構築のために、48Caの二重ベータ崩壊測定のバックグラウンドとなる48Caのシングルベータ崩壊の半減期測定を行う。この天然同位体比の小さく濃縮が難しい48Caのシングルベータ崩壊の半減期を高感度で測定するために、48Caのシングルベータ崩壊後の原子核であるスカンジウム48(48Sc)を、選択性樹脂を用いて吸着(濃縮)し、また、遮蔽システムを構築することで、低放射線環境を実現する。この二つによって、シングルベータ崩壊の測定感度を飛躍的に改善させる。結果として、48Caのシングルベータ崩壊測定の世界最高感度を実現する。そのために、1、スカンジウムを吸着(濃縮)する樹脂選定および送液システムの構築、2、低バックグラウンド測定環境構築、3、長時間安定測定とその解析、が必要である。本年は、3、長時間安定測定とその解析、として、255kgの塩化カルシウムを用いた、71日のシングルベータ崩壊の測定解析を行った。シングルベータ崩壊で放出されるガンマ線、983keV、1038keV、1312keVのうち、32本のCsI(Tl)検出器のいずれかで、983keV、1038keVを検出している、という条件をかけたエネルギースペクトルの1312keVエネルギー領域に、14事象を観測した。このエネルギー領域でのバックグラウンド量は、測定時間当たり3事象であることを考慮し、シングルベータ崩壊の半減期(2.2±0.8)×10^21年を得た。 この場合、48Caのニュートリノを放出する二重ベータ崩壊測定のバックグラウンドとしての、シングルベータ崩壊事象からの寄与は3%と見積もられた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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