Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
平成30年度前半は、平成29年度の研究で得られる核酸塩基前駆体もしくはプロト核酸塩基と平成28年度(前の研究期間)までに得られたリボースを用いて、両者によるグリコシド結合形成を経て、プロトヌクレオシドを得ることができるかを検討した。この段階は、以前Sutherlandらによって非効率・低収率が指摘されており、未解決の工程である(そのためSutherlandらはリボース前駆体と塩基前駆体が結合したままヌクレオシドが組み上がっていくルートを選択した)。プロトヌクレオシドが生じるかどうかは、グリコシド結合が選択的かつ効率的に進行するかが鍵になる。おそらく、塩基が求核攻撃をするに十分な高い電子密度を持っていること、リボース1’水酸基が脱離するのに十分な活性を有する触媒が存在することが求められるだろう(現在天然に用いられている4種類の塩基では容易ではないことが応募者の事前研究で確認された(未発表))。塩基の求核性については、平成29年度の研究で得られる核酸塩基前駆体もしくはプロト核酸塩基が高い電子密度を持っているかあらかじめ検証しておくことがポイントであり、当てはまらない場合には電子密度を高められる付加物を検討する必要がある。そこで、ヒドロキシピリミジン、リボースに加え、いくつかのリン酸化合物を加え、加熱を行った。その結果、トリメタホスフェートを用いた場合に目的化合物であるプロトヌクレオシド(ゼブラリン)を収率1%で生じることがNMRで確認された。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2018 2017
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)
Organic & Biomolecular Chemistry
Volume: 15 Issue: 42 Pages: 8888-8893
10.1039/c7ob02051a