Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では,過酷環境下(高温環境/放射線環境)において特性劣化の極めて小さな窒化物半導体(GaN)のみによって構成される集積回路の実現を目的とした。窒化物半導体(GaN)は耐環境性に優れた材料であり,高温環境下や放射線環境などの過酷環境下においても高い信頼性,長寿命なエレクトロニクスデバイスへの応用が期待できる。GaN材料のみを用いた集積回路の実現のためにはしきい値の異なるMOSトランジスタの作製技術が求められる。その実現にはイオン注入技術の開発が鍵となり,2017年度はイオン注入技術に着目して研究を取り組んだが,2018年度はこの技術を基礎にして、GaN基板上の隣接領域に閾値電圧の異なるエンハンスメント型およびディプレッション型MOSトランジスタの作製を試みて,これらを電気的に外部接続することで最小構成のインバータ動作の観測に取り組んだ。昨年度の取り組みでは高濃度のp-GaNテンプレートにMOSトランジスタを作製したため,いずれのタイプのトランジスタもトランジスタ動作が観測されたが,エンハンスメント型トランジスタでのドレイン電流はnA/mmオーダーと極めて低い値となっていた。今回はこの問題を解決するために、低濃度のp-GaN基板を用意し,昨年度と同様にしてMOSトランジスタを作製した。いずれのタイプのMOSトランジスタもp-GaNテンプレートで作製したときと比較して大きいmA/mmオーダーの高いドレイン電流が観測された。また同一チップ上に作製したエンハンスメント型およびディプレッション型MOSトランジスタを外部接続でつなげたところインバータ動作が観測され,GaNのみで構成される集積回路への基盤技術が構築されたことを示唆する結果が得られた。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Presentation (6 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)