Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
昨年度は、非対称な超分子構造形成のためのビルディングブロックとして、縮合反応により7つのアミド基を導入したβシクロデキストリン誘導体を合成した。この分子は、等価な部位を7つ導入した構造であるにも関わらず、それぞれの官能基が個別の役割を発揮することで非対称な認識空間を形成し、その構造に基づく精密なアニオン認識を実現することが示された。本年度は、上記の知見を生かし、非対称化を伴う配位駆動自己集合のための配位子として、等価な7つの2,2´-ビピリジル基 (bpy) をアミド結合を介してβシクロデキストリンのピラノース環に直接導入した誘導体Lを合成した。2座キレート配位部位であるbpyと正八面体六配位金属イオンMから作られるトリスビピリジル錯体には、fer-, mer-異性およびΔ, Λ異性に基づく4つの異性体が生じうる。そして、Lは7つのbpyを持つため、分子内の3つのbpyと1つのMが反応した錯体の異性体は、合計で20種類が考えられる。しかし、bpyとピラノース環をアミド基により直接連結して配座を制限するように設計されたLは、鉄(II)イオンとの反応により、隣り合わない組合せの1,3,5番目のbpyで錯形成したキラル単核錯体1,3,5-fac-Λ-[1・Fe(II)]を選択的に与えることが明らかとなった。その構造は各種NMR (1H, 13C全シグナルの帰属・ROESYによる配座解析) 、質量分析、円二色性測定、分子力場計算などにより詳細に解析・決定された。これは、金属配位による配位子の非対称性の増幅・制御を達成した成果であり、本領域「配位アシンメトリー」に大きく貢献するものである。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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J. Phys. Chem. C
Volume: 123 Issue: 8 Pages: 5061-5066
10.1021/acs.jpcc.8b09202
European Journal of Inorganic Chemistry
Volume: 2019 Issue: 6 Pages: 766-769
10.1002/ejic.201801062
120007128210
Chemical Communications
Volume: 55 Issue: 17 Pages: 2421-2424
10.1039/c8cc09643k
120007128043
Volume: 55 Issue: 27 Pages: 3872-3875
10.1039/c9cc00517j
120007127947
The Journal of Organic Chemistry
Volume: in press Issue: 9 Pages: 5331-5337
10.1021/acs.joc.8b00782
Tetrahedron Letters
Volume: 59 Issue: 47 Pages: 4149-4152
10.1016/j.tetlet.2018.10.003
120007128440
Heteroatom Chemistry
Volume: 29 Issue: 5-6
10.1002/hc.21470
120007128180
Nature Communications
Volume: 8 Issue: 1 Pages: 129-129
10.1038/s41467-017-00076-8
120007134542
Bulletin of Japan Society of Coordination Chemistry
Volume: 70 Pages: 39-42
40021485015
http://www.chem.tsukuba.ac.jp/nabesima/
http://www.tsukuba.ac.jp/attention-research/p201707251900.html
http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/press_release/2017/170725_1/