Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
GPx4は生体膜に生じた酸化リン脂質であるリン脂質ヒドロペルオキシドをグルタチオン依存的に還元する酵素である。GPx4は抗がん剤であるエラスチンやRSL3によるがん細胞における鉄依存性の脂質酸化依存的細胞死フェロトーシスの制御因子として注目されているが、我々は様々な正常組織におけるGPx4欠損マウスを作成し、GPx4の発現が低下した細胞死にはフェロトーシス以外に、鉄非依存性の細胞死経路も存在することを見出し、リポキシトーシスと名付け、その実行因子の同定と細胞レベル、個体レベルでの機能解析を進めている。またGPx4欠損や酵素活性の低下による個体レベルでの疾患についても解析した。今回、網羅的shRNAライブラリーによるスクリーニングによりリポキシトーシスの実行因子として、Lipo1-5を同定したが、本年度はLipo-1, Lipo-2及びLipo-3のノックアウトマウスをゲノム編集等により作成し、さらに心臓特異的GPx4欠損マウスにおける17.5日での心筋細胞死を個体レベルでも抑制できるのかについて、それぞれのダブルノックアウトマウスを作成して検討した。その結果、まずLipo-1~3KOマウスは正常に生育できた。次に心臓特異的GPx4欠損マウスとのダブルノックアウトマウスでは、いずれも17.5日での胎児致死を抑制し、本来生まれてこない心臓特異的GPx4欠損マウスの胎児がLipo-1ダブルでは生存して生まれ、Lipo-2ダブル、Lipo-3ダブルでは死産ではあったが生まれた。このことは少なくとも個体レベルでも17.5日でのリポキシトーシスによる心筋細胞死を抑制できたことを示すことができた。また重度のCOPD患者の肺の上皮細胞ではGPx4の発現が低下し鉄の沈着を介したフェロトーシスが起きること、GPx4のトランスジェニックマウスではCOPDを抑制できることも見出した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 4 results, Open Access: 2 results) Presentation (20 results) (of which Int'l Joint Research: 5 results, Invited: 7 results)
Nature communications
Volume: 印刷中
Cell.Death.Disease
基礎老化研究 Biomedical Gerontology
Volume: 43 Pages: 21-29
実験医学
Volume: 36 Pages: 1701-1711
Volume: 36 Pages: 94-102