Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
CRISPR-Cas獲得免疫機構に関与するRNA依存性DNAエンドヌクレアーゼCas9はガイドRNAと複合体を形成し、ガイドRNAと相補的な2本鎖DNAを選択的に切断する。したがって、Cas9を用いることにより、ゲノムDNAの狙った位置を切断し、その周辺の塩基配列を改変すること(ゲノム編集)が可能である。しかし、Cas9が標的DNAを認識するためには、ガイドRNAと標的DNAとの間の相補性にくわえ、PAMとよばれる特定の塩基配列が必要である。ゲノム編集に利用されているS. pyogenes由来Cas9(SpCas9)はNGG(Nは任意の塩基)という塩基配列をPAMとして必要とするため、ゲノム編集の適用範囲には制限が存在していた。そこで、SpCas9に7つのアミノ酸変異を導入することにより、NGGにくわえ、NGA、NGT、NGCをPAMとして認識するCas9改変体(SpCas9-NG)を作製した。SpCas9またはSpCas9-NGとガイドRNAをヒト培養細胞に発現させ、NGA、NGT、NGG、または、NGCをPAMとしてもつ標的部位への変異の導入を調べた。SpCas9はNGGをPAMとしてもつ標的部位に効率よく変異を誘導した一方、NGTおよびNGCをPAMとしてもつ標的部位には変異を誘導しなかった。SpCas9と対照的に、SpCas9-NGはNGGだけでなくNGHをPAMとしてもつ標的部位に変異を誘導した。さらに、SpCas9-NG(D10A変異体)とシチジンデアミナーゼの融合タンパク質(Target-AID-NG)をヒト培養細胞に発現させ、NGA、NGT、NGG、または、NGCをPAMとしてもつ標的部位の塩基置換を調べた結果、Target-AID-NGはNGNをPAMとしてもつ標的部位に塩基置換を誘導することが明らかになった。以上の結果から、SpCas9-NGを利用することにより、ゲノム編集の適用範囲を従来の約4倍に拡張することに成功した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2018 2017 Other
All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (8 results) (of which Int'l Joint Research: 4 results, Peer Reviewed: 8 results, Open Access: 7 results) Presentation (7 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 6 results) Remarks (2 results)
Nature Plants
Volume: 5 Issue: 1 Pages: 14-17
10.1038/s41477-018-0321-8
Science
Volume: 363 Issue: 363 Pages: 1-7
10.1126/science.aav0080
Nature Communications
Volume: 9 Issue: 1 Pages: 4424-4424
10.1038/s41467-018-06922-7
Volume: 361 Issue: 6408 Pages: 1259-1262
10.1126/science.aas9129
Volume: 8 Issue: 1 Pages: 1430-1430
10.1038/s41467-017-01466-8
120006374160
Molecular Cell
Volume: 67 Issue: 4 Pages: 633-645
10.1016/j.molcel.2017.06.035
Volume: 67 Issue: 1 Pages: 139-147
10.1016/j.molcel.2017.04.019
Nature Biotechnology
Volume: 35 Issue: 8 Pages: 789-792
10.1038/nbt.3900
https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2018/6021/
https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2017/5629/