Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本年度は、肝細胞の分化可塑性と加齢の関係を明らかにするために、障害誘導によって肝細胞脱分化が誘導されるアセトアミノフェン投与急性肝障害モデルとDDC混餌投与慢性肝障害モデルを用いた解析を行った。DDC混餌モデルでは胆管の増生が誘導されるとともにその近傍において肝細胞が脱分化しSOX9(+)に変化する。若年マウスとして8週令マウス、加齢マウスとして80週令マウスを用いた。アセトアミノフェン投与を行い急性肝障害を誘導したところ、8週令マウスでは一過性の障害が誘導された後、肝再生が起こる300mg/kgの投与量によって、80週令ではおよそ半数のマウスが投与後48時間以内に死亡することが明らかになった。8週令のマウスでは、中心静脈周囲で誘導される肝細胞のNecrosis領域を囲むように肝細胞から脱分化したSOX9(+)肝細胞が出現していた。一方、80週令のマウスではSOX9(+)肝細胞の数が減少していた。肝細胞は脱分化によってCyp関連遺伝子の発現が低下することから、8週令マウスでは肝細胞脱分かによってアセトアミノフェンによる毒性に対する耐性を獲得し、組織の保護に寄与している可能性が考えられた。DDC混餌を与えて慢性肝障害を誘導するモデルでは、血清マーカーの比較からは8週令と80週令マウスでは同程度の肝障害が誘導されていた。しかしながら、肝組織切片の解析から、80週令マウスでは胆管増生の抑制と肝細胞脱分化の促進が起こっていることが示唆された。加齢によって胆管の増殖能の低下が起こるが、肝細胞が脱分化することで胆汁収納スペースを補完している可能性が考えられた。一方、慢性肝障害からの再生においては、80週令マウスで再生の遅延が起こる可能性が示唆された。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Methods in Molecular BIology
Volume: 1905 Pages: 9-17
10.1007/978-1-4939-8961-4_2
Methods in Molecular Biology
Volume: 1940 Pages: 267-273
10.1007/978-1-4939-9086-3_19
Development
Volume: 印刷中
10.1242/dev.159095
https://www.smu-tisdevreg.jp/