Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本年度は、確立したリボソームの精製方法によってゼブラフィッシュ原腸胚からリボソームを精製し、結合因子の解析を行った。特異抗体によるウエスタンブロット解析の結果から、リボソームと脱アデニル化複合体CCR4-NOT複合体の構成因子であるCnot1、Cnot4の結合が検出された。これらの結合は翻訳伸長の阻害剤であるシクロヘキシミドによる影響を受けなかった。一方で、出芽酵母においてコドンmRNA分解に関わることが報告されているDdx6についてはリボソームとの結合は検出できなかったことから、ゼブラフィッシュ初期胚ではCCR4-NOT複合体がDdx6に依存せずにリボソームと相互作用し、コドン依存的な脱アデニル化を行なっている可能性が示唆された。また、出芽酵母においてNo-go decayに必須因子とされているE3ユビキチンライゲースHel2の脊椎動物オーソログであるZnf598について、CRISPR-Cas9によってゼブラフィッシュ変異系統を作成した。この変異体ではNo-go decayは起こらなくなっていた一方で、コドン依存的なmRNA分解は野生型同様に起こっていたことから、リボソームに起因する2つのmRNA分解機構はそれぞれ独立の分子機構によって引き起こされていると結論した。さらにmRNA上でのリボソームの動態を網羅的かつ高解像度で解析するため、リボソームフットプリント解析を行なった結果、コドン依存的なmRNA分解を引き起こすコドンではリボソームの滞在時間が長い傾向にあることが明らかとなった。現在、以上の研究成果を論文としてまとめ、投稿を準備している。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2019 2018 2017
All Journal Article (1 results) Presentation (5 results) (of which Int'l Joint Research: 5 results, Invited: 1 results)
Nature Chemical Biology
Volume: 14 Issue: 9 Pages: 832-833
10.1038/s41589-018-0102-8