Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究の目的は、大脳の代表的な長距離神経回路である脳梁投射をモデルに、その神経活動依存的な形成・再編・再生のメカニズムを明らかにすることである。そのために必要な(1)時期特異的神経活動操作の実験系はすでに確立し、(2)生後初期のマウスin vivo脳における脳梁軸索投射の経時観察の実験系の構築を進めた。共同研究者から提供を受けたsuper nova法を用いて生後初期の片側大脳2/3層の興奮性神経細胞を少数、蛍光タンパク質で標識し、反対側皮質の頭蓋骨に手術を施して観察窓を作成し、共同研究先の2光子顕微鏡にて生後9、11、13日の3点で同一の脳梁軸索の形態変化を観察・記録する実験を進めた。1本の軸索分枝から分岐が生じて成長する例、途中で見られた分枝が退縮する例が観察され、軸索発達に伴うダイナミックな形成過程が示唆された。一方、9日齢、11日齢、13日齢の3点ともで同一軸索を観察できる効率が高くないこと、実験後に脳透明化を行ったときに、in vivo経時観察したものと同一の軸索を見つけることが困難であることなど、解決すべき課題も明らかになった。前者に関しては、観察用の窓を3日間クリーンに保つための薬剤投与(感染予防など)、一度に観察できる軸索数を増やすために標識される脳梁軸索の本数を増やしつつ密度は高くならないようにする条件検討、窓を少し広めにとるなどの脳手術の工夫などを進めている。後者に関しては、13日齢でin vivo観察を終了後、脳を固定する前に観察窓の周辺に目印をつける工夫を行った。さらに、軸索のどの分枝が維持されてさらに成長し、どの分枝が退縮するのかのルールを明らかにするための工夫も行った。これらの改良をふまえ、正常の脳梁軸索の発達ダイナミクスを明らかにする実験を鋭意進めている。今後、神経活動操作時にそれがどのように変化するかを明らかにする実験へと進む。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (1 results) Presentation (7 results) (of which Int'l Joint Research: 4 results, Invited: 4 results) Remarks (4 results)
生体の科学
Volume: 70 Pages: 23-27
http://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp/~physiol2/index.html
https://www2.kufm.kagoshima-u.ac.jp/field/advanced-therapeutics/f101/02.html
http://www2.kufm.kagoshima-u.ac.jp/field/advanced-therapeutics/f101/02.html