Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
(1) 任意の一本の花粉管を選択的に染色する光ケージド赤色発光色素の開発前年度の研究において,花粉管の染色効率が低いため,十分な蛍光強度が得られないことが問題として見つかった。これを解決するためには,光ケージド蛍光色素の細胞膜透過性を高める分子設計が重要である。そこで本年度は,動物細胞でよく知られている細胞膜透過性ペプチド(CPP)が連結した蛍光色素を用い,花粉管染色能のCPP配列依存性について検討した。CPPを含む培地中で花粉管を発芽させ,4時間培養したあと,蛍光顕微鏡で観察した。その結果,リシンを多く含むCPPは花粉管内部からの強い蛍光シグナルが観察されたのに対し,アルギニンを多く含むCPPの場合は,細胞壁に多く補足されていることがわかった。現在,高い花粉管染色能をもつCPP配列の最適化を行っている。(2) 植物深部の細胞壁染色を指向した近赤外蛍光性を有する細胞壁染色剤の開発近赤外蛍光色素PREX 710は712 nmと740 nmにそれぞれ極大吸収波長と極大蛍光波長を有するため,クロロフィル由来の自家蛍光に影響されずに画像を取得することができる。また,ほぼすべての蛍光タンパク質と併用できるため,最大6色までの多重染色ができることを明らかにした。前年度までに,PREX 710にアルギニンのオリゴマー (R8) を連結したものが細胞壁マーカーとして機能することを見出している。細胞壁マーカーとしての有用性を評価するため,花粉管伸長時における動態をライブで追跡した。その結果,花粉管伸長速度が早いときは細胞壁由来の蛍光強度が低下し,伸長が休止しているときは蛍光強度が増大するという反対の相関が得られた。これは,花粉管伸長におけるペクチンの量やカルシウム濃度に依存しているものと考えられ,詳細な解析を進めている。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2019 2018 2017
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 1 results) Presentation (6 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Invited: 4 results)
Angewandte Chemie International Edition
Volume: 57 Issue: 32 Pages: 10137-10141
10.1002/anie.201804731
Chem. Commun.
Volume: 54 Issue: 3 Pages: 299-302
10.1039/c7cc07344e