Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
平成29年度の研究により、FGFR4が、FGFR1のキナーゼドメイン内にある活性化ループのチロシン残基をリン酸化することを明らかにした。また、in vitroのリン酸化実験により、FGFR4-FGFR1間のキナーゼドメイン間ヘテロ2量体構造が、これまでに我々が報告しているFGFR1-FGFR1間のキナーゼドメイン間ホモ2量体構造と類似していることが示唆されていた。そこで、平成30年度はクロスリンク実験による距離情報とリン酸化実験による相互作用面情報に基づき、FGFR1-FGFR4間のキナーゼドメイン間2量体構造モデルの計算を行った。その結果、head-to-head型とhead-to-tail型の2通りの構造が得られた。head-to- tail型の2量体構造では、活性化ループの長さが不十分であり、リン酸化部位が触媒残基に届かないことが明らかとなった。一方、head-to-head型の場合には、リン酸化部位と触媒残基の距離が十分に近接しており、活性化ループのリン酸化に関わる2量体構造として妥当であることが示唆された。次に、FGFR4-FGFR1間のヘテロ2量体構造の形成によりFGFR4にどのような変化が生じるかについて明らかにするために、安定同位体標識したFGFR4のキナーゼドメインに非標識のFGFR1もしくは非標識のFGFR4を添加する実験を行った。その結果、安定同位体FGFR4に非標識のFGFR4を添加してもスペクトルの変化は見られなかったが、非標識のFGFR1を添加した際には、FGFR4が部分的に活性型の構造に変化することが明らかとなった。以上の結果より、FGFR1が結合することでFGFR4のキナーゼドメインが部分的な活性型構造に変化し、部分的に活性化されたFGFR4がFGFR1をリン酸化することでFGFR4によるシグナリングが開始されることが示唆された。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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