Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
<目的>可視的に下顔面が前方あるいは側方に偏位した顎変形(VD)を有する成人女性患者について、顎骨形成術で急性に変化した顔を再認知する時の顕在的・潜在的過程を行動学的及び神経科学的方法で解明した。<行動学的方法及び結果>日本人成人女性の平均像から被験者の自己鏡面像へ10%毎に自己成分が増加する画像を作成した。各画像をランダムに提示し、自己顔成分が優位か劣位かを判定させる2肢強制選択課題を行わせた。術後経過日数(POD)と自己優位と判定した確率との間には正の相関(r=0.56; P=0.02)が、PODと判定時間との間には負の相関(0.61≦r; P≦0.01)が示された。また、術後群をPODで5段階に分類し、術前群と対照群を含む7群間で、心理物理曲線の主観的等価点と反応時間を多重比較した結果、650日以上経過した3群は他群より感受性が高かった(P<0.05)。<神経科学的方法及び結果>術後群については術前後の自己鏡面像を視覚刺激として、脳機能画像を記録(fMRI 1.5T)・解析(SPM12)した。一次的所見に基づいて関心領域を視床枕、島皮質、前帯状回、海馬傍回及び内側前頭回に絞り、PODと正規化皮質活動レベルとの間で単純相関分析した。術後群では対照群よりも海馬傍回の活動が高かった。また、術前より術後で視床枕と内側前頭回の活動が高かった。海馬傍回の活動はPODとの間に正の相関(r=0.50; P=0.03)を認めた。内側前頭回の活動はPODとの間に負の相関(r=0.55; P=0.02)を認めた。<研究成果の総括>(1)VDが解消した後の自己顔認知の更新には約1年半以上のPODが必要であること、(2)術後自己顔の認知感度は約1年半で対照群よりも高まること、(3)自己顔の脳内表現はPODに応じて、海馬傍回と内側前頭回が関与して緩徐に形成されると示唆できること、が解明された。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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