Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,光学系に備わるトポロジカル相を活用することにより,新奇光学デバイスの開発,及び量子情報の分野で必要とされる光子の量子状態制御への応用を踏まえ,光ダイナミクスを時空間で制御するための手法の開拓を目指した研究を行うことである. 以前の研究では,静止した1次元系のエッジ状態(ゼロ・エネルギー状態)に対し,トポロジカル相の相境界を等速で移動させることによりエッジ状態の状態輸送を行う場合,ローレンツ不変性を用いた解析より,ローレンツ収縮によるエッジ状態の局在長が収縮し,さらにゼロ・エネルギー状態以外への状態遷移が生じることを,1次元量子ウォークに対して示した.さらに、制御時に,加速時間域,等速移動時間域,減速時間域の3つの時間域に分け,加速時間域と減速時間域では断熱過程を用いた制御を行い,等速移動時間域では解析計算における厳密解を踏まえた制御を行うことにより,高速な状態輸送が可能となることを示した。 本年度は、Su-Schrieffer-Heeger (SSH)SSHモデルにおけるエッジ状態の輸送に関する研究を行った。先行研究で用いた量子ウォークとSSHモデルは連続体近似を適用すると、両モデルはユニタリー同値なハミルトニアンで記述される。そこで、以前の研究結果を踏まえ、SSHモデルのホッピング項に時間依存性を導入した。その結果、連続体近似がよい近似となるパラメーター領域では、SSHモデルを用いた場合の輸送効率(忠実度)は、量子ウォークを用いた場合と、ほぼ一致することが明らかとなった。一方で、連続体近似がよい近似とならない場合、SSHモデルの輸送効率は急激に低下するが、この状況下におけるローレンツ変換を考慮することにより、より効率のよい輸送手法を明らかにした。 また、本年度は、開放系量子ウォークや非線形性を有する量子ウォークにおけるトポロジカル相についての研究も行った。
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