Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
トンネル接合のトンネル障壁として、被覆性・制御性のよい原子層堆積法による酸化膜が用いられた事例はあるが、微小トンネル接合の形成において、in situで 斜め蒸着と原子層堆積法(ALD)によるトンネル障壁を組み合わせた事例は、これまでにない。本研究では、このin situプロセスを可能にするために、電子ビーム蒸着装置の試料室をゲートバルブで独立可能にし、そこにArをキャリアガスとした水蒸気のプラズマを酸化剤としたアルミナ(Al2O3)の原子層堆積機構を導入した装置を開発した。これを用いて、Niを下層電極とし、トンネル障壁にALD-アルミナ膜を用い、Alを上層(島)電極とした強磁性・超伝導・強磁性の単一電子トランジスタ(SET)を作製した。作製した素子は、希釈冷凍温度での測定により、Alが超伝導の場合も磁場印加により常伝導化した場合も、単一電子素子として期待される基本特性を示した。これにより目指していたin situプロセスが実現可能であり、このプロセスによって良好なトンネル障壁を持つ微小トンネルスピンインジェクタとそれを用いた単一電子素子の作製が可能であることを実証した。また、同電極構造のSETで見出した帯電効果・超伝導・スピン偏極トンネルの3者の相乗効果といえる「トンネル磁気抵抗極性のゲート電圧による静電制御効果」の起源について、超伝導体中へのスピン蓄積効果に基づいた理論的考察を行い、超伝導体の超伝導ギャップの変調を引き起こす超伝導体中へのスピン蓄積量が、SETではバイアス電圧とゲート電圧に依存することを示した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2019
All Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results)