Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では、長年にわたり解明が待たれてきたU(RhxRu1-x)2Si2の強磁場相について、パルス磁場中性子回折を中心にした実験により、Rh濃度依存性を含めて明らかにした。その結果、強磁場相は2種類あり、Rh濃度が3 %程度を境に、低濃度側の非整合相から高濃度側の整合相に転移することを確定した。この結果は、これまでII相と呼ばれて来た相が、濃度によって異なる2つの相からなっていることを意味する。また、強磁場領域の整合―非整合相転移は、零磁場における隠れた秩序の消滅と対応する。x=0の非整合相: 磁化過程には、磁場上昇時だけ現れる飽和磁化に対する磁化の比M/MS ~0.37の準安定相と安定相のM/MS =0.6の2相あるが、いずれもQa~0.6の非整合相で、変調はサイン波的なスピン密度波状態である。格子変調については、分解能の範囲で見られない。一方、温度を4.2~5 K程度に上げると、磁気ピークはa*軸方向に広がり、複数の波数に分解するように見える。x=0, 0.02は、Qa~0.62とやや大きくなるが、共通して非整合スピン密度波状態にあると結論付けられる。準安定相がRhドーピングにより安定相になることから、Qa~0.6の磁気秩序は、少なくとも2つの非常に近い磁気波数の競合の下で実現しており、RhドーピングによりQaが大きくなることがM/MS ~0.37の安定化の原因である。Rh濃度による磁気波数の系統的な変化から、フェルミ面の変化と磁気波数が対応していることがわかる。さらに、Rhのドーピングを増やして、0.04 にすると、 Qa=2/3の整合相が出現する。この整合相は、より高濃度のx=0.08でも確認されている。これらの研究により、Rhドープにより非整合―整合相転移が起こることが判った。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Int'l Joint Research (6 results) Journal Article (3 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Peer Reviewed: 3 results) Presentation (5 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 2 results)
Physical Review Letters
Volume: 124 Issue: 4
10.1103/physrevlett.124.047204
Physical Review B
Volume: 100 Issue: 9
10.1103/physrevb.100.094433
PHYSICA B-CONDENSED MATTER
Volume: 536 Pages: 457-460