Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本課題では、強いスピン軌道相互作用と強い電子相関の効果が共存する多軌道系である5d遷移金属化合物を中心として、空間反転対称性を破る相転移を示す新しい5d電子系物質の開発と、局所的に空間反転対称性を破る5d電子系物質における新超伝導体探索を行う。それにより、パリティ混成に駆動される電子相転移や、奇パリティ多極子が関与する非従来型超伝導といった、空間反転対称性に起因する興味深い電子現象を発見する。令和元年度には、(a) 空間反転対称性が破れた立方晶の結晶構造をもつPt化合物と、(b) 高い熱電変換特性を示す5d遷移金属テルル化物Ta4SiTe4について研究を行った。(a) 空間反転対称性が破れた立方晶の結晶構造をもつPt化合物、PtSbSとBaPtPの焼結体試料が、それぞれ0.15 K、0.20 Kにおいて超伝導転移することを発見した。このうちPtSbSについては、磁化測定により大きな反磁性が観測されており、バルク超伝導であることを確かめた。PtSbSはネスティングの強いホールポケットを含む特徴的な形状のフェルミ面をもつこと、BaPtPでは空間反転対称性が破れていることによるバンド分裂がかなり大きいことが電子状態計算により明らかにされた。今後、これらの特徴が、空間反転対称性が破れた立方晶の結晶構造をとることと関連して、超伝導を含む電子物性においてどのように表れているのかを解明することが期待される。(b) Ta4SiTe4に元素置換を行うことにより、高い熱電変換特性を示すp型、n型試料の合成に成功した。これらの試料を用いた冷却素子を試作し、実際に温度降下が起こることを確かめた。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2020 2019 2018
All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results, Open Access: 2 results) Presentation (11 results) (of which Int'l Joint Research: 5 results, Invited: 6 results)
JPS Conference Proceedings
Volume: 29
10.7566/jpscp.29.011001
Nature Communications
Volume: -
120006873092
Applied Physics Letters
Volume: 115 Issue: 4 Pages: 043901-043901
10.1063/1.5109590
Journal of the Physical Society of Japan
Volume: 88 Issue: 9 Pages: 093709-093709
10.7566/jpsj.88.093709
40022008736