Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
〇 本研究期間において、反強四極子(AFQ)秩序を示す典型物質と考えられてきたCe系化合物CeB6について、ゼロ磁場下と有限磁場下では約60mTを境に秩序状態が異なることを、極低周波11B-核四重極共鳴(NQR)測定と極低磁場下11B-核磁気共鳴(NMR)測定によって明らかにした。特に令和元年度では、上記11B-NMR測定で得られたスペクトルの半定量的解析を進めて、磁場中AFQ秩序に特有な磁場誘起内場(Hint)の磁場依存性を調べ、Hintが有限磁場(60mT)で消失することを示した。〇 Sm系価数揺動物質SmSについて、北川健太郎氏(東京大学理学研究科)との共同によって3.2GPaまでの33S-NMR測定を可能にし、圧力誘起磁気秩序が生じる約2GPa以上で、秩序状態に起因するNMRスペクトルを観測した。その結果、この磁気秩序の発生が温度に対する一次相転移の枠組みでよく理解されること、非磁性-磁性境界近傍ではまだ3価のSm電子配置に起因する局在磁気モーメントの存在が観測されないこと、それにもかかわらず磁気秩序が発生すること、を明らかにした。また、本研究の重要な成果として、磁気秩序構造を特定した。〇 圧力の印加によって半導体から半金属状態に変化し、その臨界圧力(1.2-1.5GPa)近傍でディラック電子が出現すると理論的に期待されている黒リンについて、温度と圧力に対する系統的な31P-NMR測定を初めて行ってその成果をまとめた(Phys. Rev. B 101, 161408(R) (2020))。また、NMR測定を広範囲な磁場下において行い(東北大学金属材料研究所を利用して24Tまで)、状態密度のランダウ準位ゼロモードに起因するディラック電子系特有の現象を、黒リンにて初めて観測した。その振舞いは、3次元ディラック電子系として期待されるものに近いことを明らかにした。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2020 2019 2018 Other
All Int'l Joint Research (5 results) Journal Article (9 results) (of which Int'l Joint Research: 8 results, Peer Reviewed: 8 results, Open Access: 7 results) Presentation (24 results) (of which Int'l Joint Research: 4 results) Remarks (2 results)
JPS Conf. Proc.
Volume: 29
10.7566/jpscp.29.012008
Volume: 30
10.7566/jpscp.30.011015
10.7566/jpscp.30.011050
10.7566/jpscp.30.011060
10.7566/jpscp.30.011140
10.7566/jpscp.30.011153
Physical Review B
Volume: 101 Issue: 16
10.1103/physrevb.101.161408
arXiv Condensed Matter
Volume: なし
Phys. Rev. B
Volume: 97 Issue: 16
10.1103/physrevb.97.161116
https://sites.google.com/view/u-hyogo-nmr/home
http://www.sci.u-hyogo.ac.jp/material/electro_phys/index-j.html