Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
35億年前から現在までに噴出したマントル由来のマグマには,地球内部におけるマントルの水進化,熱進化,化学進化が記録されている.これを解読するため,初生マグマの化学組成から起源マントル中の(1)始源マントル・枯渇マントル・リサイクリング輝石岩の組成割合,(2)マグマを生成したマントルのポテンシャル温度・マグマ分離深度・部分融解度・含水量を同時に解析する計算アルゴリズムを用い,35億年の上部マントル物質と生成物理条件の変化を検討し,マントルの水,化学,および熱進化を明らかにする.そのため,計算アルゴリズムの開発し,太古代玄武岩の既存のデータから,マントルの水・化学・熱進化を明らかにする.【1】地球史35億年間に噴出し,残存する玄武岩・ピクライトの既存文献資料を集約し,その化学組成データベースを構築した.中央海嶺ソレアイト玄武岩は上部マントルの平均的組成・条件を反映するものとし,ホットスポットアルカリ岩やピクライトはより深い(おそらく下部)マントルの情報を保持するものと仮定し分類する.データベースをもとに変質や変性作用の影響が少ない試料を選択する.【2】データベースから岩石の主成分・微量成分元素組成を用いてマグマの起源物質と生成条件(起源マントル物質の組成,起源マントルのポテンシャル温度,マグマ分離深度,部分融解度,含水量)を算出する計算アルゴリズムを開発した.開発には既存の計算コードOcean Basalt Simulator version 1 (OBS1)を用い,含水システムの計算ができるように改良し,OBS2モデルを構築した.【3】解析結果をもとに,地球史35億年の上部マントルの水進化,化学進化(始源マントル・枯渇マントル・リサイクリング海洋地殻の含有率),ならびに熱進化(マントルポテンシャル温度・融解深度・部分融解度)を明らかにして,論文執筆を開始した.
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
【1】化学組成データベース構築,【2】データベースから岩石の主成分・微量成分元素組成を用いてマグマの起源物質と生成条件(起源マントル物質の組成,起源マントルのポテンシャル温度,マグマ分離深度,部分融解度,含水量)を算出する計算アルゴリズムを開発,【3】解析結果をもとに,地球史35 億年の上部マントルの水進化,化学進化(始源マントル・枯渇マントル・リサイクリング海洋地殻の含有率),ならびに熱進化(マントルポテンシャル温度・融解深度・部分融解度)を明らかにして,論文執筆を開始した.
得られたデータから,論文の執筆を実施し,成果の出版を行う.
All 2018
All Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 1 results)
Lithos
Volume: 300-301 Pages: 227-249
10.1016/j.lithos.2017.12.003