Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
前年度は、有機反応相に対して反応に全く関与しない水を不活性相として意図的に導入した、有機-水交互相からなるセグメントフロー法(二相交互流法)が、有機反応液のみを送液する単一相フロー法に比べて光反応の反応効率を向上させる要因として、薄膜形成効果、液内高速混合効果、光閉じ込め効果の3つの相乗効果であることを実験的に明らかにした。今年度は、本手法を活用した生産プロセスの実効性を視野に入れ、不活性物質として窒素ガスの利用可能性を検証した。まず、不活性物質として窒素ガスを利用した場合でも反応効率は大幅に向上することを明らかにした。これにより、反応後に不活性物質と有機反応液との分離操作が不要となり、生産プロセスとして簡略化を達成できた。また、不活性物質として水を利用した場合と同様に上述の3つの効果の有無を検証した結果、これらがいずれも反応効率の向上に寄与し、相乗的に働いていることを明らかにできた。さらに、有機反応液と不活性物質とのフラグメント比を変化させて実施した光反応の結果、約5%(20:1)の不活性物質を混合させるだけでも上述の3効果が得られ、生産性の面でも単一相フロー式反応を上回ることを見出した。最後に、二相交互流法を種々の有機光反応へ適用し、その一般性を検証した。反応の種類により適用できない場合が見られたが、各反応に適した最適な二相交互条件を設定することにより、適用できるものと期待される。センシングシステムの開発においては、新しいマイクロフローセルの方式・構造検討を行った。3波長以上を導入して吸光・旋光を行うことで、反応・生成物の数が増えた場合のin situ不斉反応のモニタリングに対応できると期待される。具体的なフローセル構造および光学系の設計を行い、コンセプトの実現性を確認した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Bulletin of the Chemical Society of Japan
Volume: 92 Issue: 9 Pages: 1467-1473
10.1246/bcsj.20190117
130007706760
化学工学
Volume: 83 Pages: 680-683
Organic Process Research & Development
Volume: 23 Issue: 1 Pages: 78-87
10.1021/acs.oprd.8b00375
ケミカルエンジニヤリング
Volume: 63 Pages: 14-20
https://mswebs.naist.jp/LABs/kakiuchi/index-j.html