Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
紅藻が生産するトリテルペノイド中分子には臭素原子を含む特徴的な構造が見られ、生物活性としては細胞毒性を示す。しかしながら分子レベルでの作用機構等に関する研究は進展していない。その原因は、天然から得られる量が微量であること、また構造が複雑なため化学合成自体が難しく作用機構研究に必要な分子の供給が十分でないことが最大の原因である。これを解決するためには高効率合成による分子の供給法を開発する必要がある。含臭素トリテルペノイド中分子の生合成は最近の研究から、バナジウム(V) を活性部位にもつバナジウム依存型ブロモペルオキシダーゼ(VBPO)が触媒していると考えられている。本研究では、全合成が報告されていない細胞毒性含臭素トリテルペノイド中分子を合成標的として、我々が蓄積して来た化学合成法とVBPO酵素合成との反応集積化による高効率合成法を開発し、その後の作用機構研究に貢献することを目的とする。昨年度含臭素トリテルペノイド中分子の一つユーボールの化学合成前駆体を使ったVBPO酵素によるA環部のブロモエーテル化反応が進行しなかったことを報告した。そこで含臭素トリテルペノイド中分子の生合成仮説において提唱されている生合成基質のC2対称なスクアレンテトラエポキシドを市販のファルネシルアセタートからエナンチオかつジアステレオ選択的に13段階で化学合成し、マギレソゾ由来のVBPO酵素で酵素反応を行った。取り込み率は低いもののLC-MSによる分析で、極微量の酵素反応生成物の中に含臭素トリテルペノイド中分子の分子量をもつ化合物を検出することに成功した。今後は酵素反応のスケールアップ、取り込み率の改善、生成物のNMRによる解析等へと繋げていく予定である。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Angew. Chem., Int. Ed.
Volume: 58 Issue: 30 Pages: 1016810172-1016810172
10.1002/anie.201906039
http://www.sci.osaka-cu.ac.jp/chem/org2/index.html
https://research-soran17.osaka-cu.ac.jp/html/100000631_ja.html