Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2019: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2018: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
太陽ダイナモ機構は, Parker (1955) 以来, α-Ωダイナモにその基礎を置いて研究されてきた。この枠組みではΩ効果は磁場増幅の役割を, α効果は主として “symmetry breaker” としての役割を担う。磁場の拡散を担うのは, 乱流磁気拡散である。太陽の場合, Ω効果を与える差動回転分布が日震学診断により精密に測定されているため, α効果を与える物理機構の理解が, ダイナモ機構の解明の鍵を握ると言える。 標準的な“磁束輸送ダイナモモデル”では, 対流層の底で生成される強い磁束管とその磁気浮上の際に働くコリオリ力がα効果の源である (e.g., Dikpati & Charbonneau 1999)。強い磁束管を対流層の底で作ることができれば, この機構は効率的に働き, 太陽型の磁気サイクルを与えると期待される。しかし, 強い磁束管の作り方に, このモデルの本質的な問題点があり, それは未だ解決には至っていない (e.g., Solanki 2010)。 昨年度の研究で, 我々は強い密度成層下のMHD熱対流計算を行い, 太陽対流層での対流ヘリシティに起因した“乱流起電力”分布をモデル化した。今年度は, その結果を球殻平均場太陽ダイナモモデルに組み込んで, ダイナモ計算を実施した。Ω効果の源として, 日震学診断と整合する差動回転分布もカップルさせた単純なα-Ω ダイナモのモデルである. 本課題研究の結果, (i)強い密度成層下の熱対流が担う乱流起電力を考慮することで, 太陽型の磁場の蝶形進化パターンが得られること, (ii)磁束輸送モデルとは異なり, 表面近傍でも磁場の方位角成分が蝶形パターンを示すこと, (iii) 表面直下の速度勾配層が磁場の進化パターンに強い影響を及ぼすこと, 等を明らかにした。本研究の成果は, 現在投稿論文としてまとめている。
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