Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
エウロパでのNaCl の検知のため、我が国最大エネルギーのパルス電子線加速器”ETIGO-III”によるNaCl 単結晶への低温短時間電子線照射装置開発と、生じた色中心の回復挙動を測定した。1)低温照射・吸光度測定装置開発ETIGO-IIIに設置可能な77Kで照射可能な装置開発を行った。ステンレスおよび発泡スチロールの2種を比較した結果、発泡スチロール製では2MeVの電子による87%の線量を透過でき、かつ77Kを保持できる装置を作製出来た。次に、77K~室温で測定可能な吸光度測定装置開発を行った。光ファイバー、ハロゲン光源と分光器を組み合わせ、77Kで5時間の測定が可能な装置を開発した。2)ドープしたNaClの低温電子線照射実験純NaClや、K、CsドープNaCl単結晶を、高温からの徐冷により作製する手法を開発した。NaCl単結晶を用いて、低温でのパルス電子線照射と吸光度の温度、時間依存性を測定した。77Kで、2MeVでの照射の結果、460nmのF中心の吸収が大幅に上昇した。この77Kで4時間保持したところ、F中心による吸光度は時間の平方根に比例して減少した。一方F中心が2個結合したF2中心の吸光度はほぼ一定であった。F中心の拡散は200Kから始まることから、H中心の拡散によってF中心と再結合して消滅することが考えられた。この結果から、エウロパでのパルス電子照射が検知できれば、その後の光学測定で460nmのピーク強度の時間依存性により、200K以下のエウロパ上でもNaClの存在を検証できることが分かった。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) Remarks (2 results)
Jpn. J. Appl. Phys.
Volume: 58 Issue: 4 Pages: 046003-046003
10.7567/1347-4065/ab04a0
210000155632
https://etigo.nagaokaut.ac.jp/suematsu/etigo3.html