Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
ハニカム格子をもつグラフェンがDirac coneと呼ばれる特異なバンド構造をもち、特異な電子物性を示すことはよく知られている。我々は、このようなハニカム格子を分子結晶で実現し、バンドフィリング制御から人工的にDirac電子系をつくり出す研究を展開している。ハニカム分子格子をつくり出すため、C3回転軸をもつ立体π共役分子(3つのπ平面から構成され、それらの法線は60°または120°の角度をなす分子)に注目して分子合成を試みている。本年度は、拡張されたπ共役糸と電子受容体能力をもつ、フェナジン部位をトリプチセン骨格に付加したTrip-Phzを合成した。結晶構造解析を行ったところ、 フェナジン部位間のファンデルワールス相互作用によりハニカム格子が形成され、またCH…N水素結合により、ハニカム骨格が層間で重なり合うことが分かった。その結果、ハニカム格子に垂直に、直径1nm 程度の太い1Dチャネルが形成されることが分かった。トリプチセン分子骨格からは当然だが、この1Dチャネルの内面はアクセプター性をもつπ電子で覆われていると予想される。この構造から引き出される物性を探索するため、この結晶をさまざまな濃度のTTF溶液に浸したところ、電荷移動(CT)吸収体の出現/消失を伴いながら、可逆的にTTFがチャネル内に吸着/脱着され、その吸収強度とTTF溶液濃度の関係はLangmuirの方程式でよく説明されることが分かった。これは、TTFのモノレイヤー吸着を示唆している。ホスト‐ゲスト間のCT相互作用の発現は初めてではないが、吸着量の自在制御はおそらく初めての例である。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2019 2018 Other
All Int'l Joint Research (3 results) Journal Article (7 results) (of which Int'l Joint Research: 4 results, Peer Reviewed: 7 results) Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Invited: 2 results) Remarks (1 results) Patent(Industrial Property Rights) (2 results)
Journal of Materials Chemistry A
Volume: 7 Issue: 47 Pages: 26829-26837
10.1039/c9ta05150c
Advanced Functional Materials
Volume: 29 Issue: 42 Pages: 1904181-1904181
10.1002/adfm.201904181
ACS Applied Materials & Interfaces
Volume: 11 Issue: 8 Pages: 7661-7665
10.1021/acsami.8b21696
Chemical Communications
Volume: 54 Issue: 31 Pages: 3815-3818
10.1039/c8cc00753e
Dalton Transactions
Volume: 47 Issue: 29 Pages: 9897-9902
10.1039/c8dt02214c
The Journal of Physical Chemistry C
Volume: 122 Issue: 45 Pages: 26054-26060
10.1021/acs.jpcc.8b08744
Journal of the American Chemical Society
Volume: 印刷中 Issue: 20 Pages: 6260-6270
10.1021/jacs.7b12592
http://advmat.chem.nagoya-u.ac.jp/