Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
マクロファージに対するネクローシス誘導活性を示すことが予備実験で示唆されたフチオセロールについて、誘導体の合成を行った。フチオセロールは結核菌細胞壁脂質フチオセロールジマイコセレート(PDIM)の構成成分である。本年度は、フチオセロールの蛍光標識体と誘導体を合成した。蛍光標識体としては、まず、ダンシル基が付いたフチオセロール誘導体を合成した。この誘導体は活性が見られたが、ダンシル基が付いた短鎖アルキル化合物にもある程度の活性が見られたため、蛍光部位としてフルオレセインが付いた誘導体を合成した。この蛍光標識体は、フルオレセインが付いた短鎖アルキル化体の活性よりもかなり強く活性を示すことが分かった。また、フチオセロールのアルキル基をメチル基とした短鎖フチオセロールも合成した。この短鎖誘導体には活性が見られず、アルキル基の重要性が示唆された。また、発芽促進物質カリキノライドの短工程合成を達成した。カリキノライドはピロンとフラノンが縮環した構造をもつ芳香族化合物であるが、本研究では、我々がPDIMを合成する際に採用した広域空間制御戦略(真ん中の構造をはじめに構築した後にその周辺の構造を構築する戦略)に則った。アセトールを出発原料とし、2-ブロモプロピオン酸ブロミドでエステル化した後、ジブチルボロントリフラートをルイス酸として2-メトキシ-1,3-ジオキソランを反応させてケトンの両方のα位にアセタールを導入することに成功した。エステルのα位の臭素をリン酸エステルに変換した後、分子内ホーナー-ワズワース-エモンズ反応を行ってフラノン部を構築し、加熱条件下で酸を作用させてピロン部を構築した。リン酸エステルへの変換からピロン環構築までをワンポットで行い、出発原料のアセトールから3工程にてカリキノライドの全合成を達成した。また、カリキノライドのグラムスケール合成にも成功した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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The Journal of Organic Chemistry
Volume: 85 Issue: 5 Pages: 3936-3941
10.1021/acs.joc.9b03195
Synlett
Volume: 30 Issue: 06 Pages: 709-712
10.1055/s-0037-1610694
Volume: 30 Issue: 05 Pages: 577-580
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Tetrahedron Letters
Volume: 60 Issue: 5 Pages: 411-414
10.1016/j.tetlet.2018.12.044
Organic Letters
Volume: 21 Issue: 3 Pages: 758-761
10.1021/acs.orglett.8b04008