Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
がん悪液質はがんに起因する全身性の代謝障害の総称であり、進行がん患者の50%以上で発症するとされる。患者のQuality of Life (QOL) や治療感受性、ひいては生命予後を悪化させる極めて深刻な障害である。がんを根治できない場合には、いかにがん悪液質をコントロールするかということが重要となる。しかし、がん悪液質は、多臓器の異常を含む極めて複雑な病態であり、そのメカニズムの全貌は明らかになっていない。そのため、現時点では有効な制御法がない。本研究では、がん悪液質を代謝アダプテーションという観点から見直すことを目指すものである。がんが根治不能であったとしても、症状がすぐに生じるわけではない。このことは、個体に、がんによる撹乱に対して対応する能力が備わっていることを示唆していると考えられる。これまでの研究により、がん悪液質に対する代謝アダプテーションに関わる宿主側の遺伝子を同定している。本年度は、前年度に引き続き、野生型マウス・遺伝子欠失マウスにがんを移植する実験を行い、複数の宿主臓器に対するマルチオミクス解析を実施した。その結果、本遺伝子が、二つの異なる臓器においてそれぞれ異なるタイプの代謝アダプテーションに関与することがわかった。現在、複数臓器の状態をつなぐための数理解析や、本アダプテーションとは異なるアダプテーションに関する研究などを展開している。これらの研究をさらに進めることで、がん悪液質という代謝異常へのアダプテーションのメカニズムを解明することができると考えている。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2019 2018
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 2 results) Presentation (3 results)
Nature Communications
Volume: 10 Issue: 1 Pages: 2603-2603
10.1038/s41467-019-10525-1
120006782209
Disease models & mechanisms
Volume: 11
10.1242/dmm.032383