Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究は多種微生物を混合した実験生態系を用いて短期的な揺らぎと長期的な変化の関係を解析するものである。2019年度は以下を行った。① 当初計画の系の構築・進化実験・揺らぎ応答関係:24種の微生物を用いて実験生態系を構築した。短期揺らぎと長期変化の相関は統計的有意だったが、これは各測定量自体の特徴であり、生態系の特徴に依存するものでは無かった。よって当初計画を超えて、以下のように②全生物種の量を測定してハイスループットの実験系を開発し、③生態系の理解を深めたうえで、④揺らぎ応答関係を解明することにした。② 全生物種を識別できる実験生態系と、ハイスループット実験系の構築:顕微鏡観察により見分けられる12種に絞り、多様性を保てる系を構築した。また、機器導入と機械学習により並行して6000個程度の生態系を実験できる系を構築した。③ 実験生態系の基礎理解:12種全ペアでの2種培養から種間相互作用を調べた。また5種以上が共存する系において、個体数の少ない1種が1匹もいなくなると、その影響により他の2種も滅び、2種しか残らなくなるような、自然生態系にあるような複雑系としての特徴も観察された。④ 短期的な揺らぎと長期的な変化の関係:新しい12種の系に関して揺らぎ応答関係を調べた。揺らぎの方向に変化していくようにも見えたが、遷移の速さのばらつきによる効果を排除できなかった。今後、より安定した系に対して摂動実験を行う必要があることが分かった。⑤ 生態系内の生物の進化:階層をまたぐ理解のため進化を調べた。半年後の実験生態系から大腸菌を単離した。表現型に変化が見られたがゲノム変化は観察されなかった。ゲノム計測までのプロセスの問題と考えられるため、実験を最適化する必要があると分かった。その他、比較のため大腸菌、酵母、繊毛虫、シアノバクテリアを用いた2種進化実験も行った。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://www.dma.jim.osaka-u.ac.jp/view?l=ja&u=2939