Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
細胞内でのエネルギー工場とよばれるミトコンドリアは、融合と分裂を繰り返す動的なオルガネラである。近年、ミトコンドリアの新たな生理機能としてRNAウイルスに対する自然免疫が周知されてきた。この自然免疫では、ウイルス感染後の細胞内シグナル伝達反応がミトコンドリアの外膜上で行われる。本研究では、抗ウイルス自然免疫におけるミトコンドリアの関わりに着目し、一連のシグナル伝達におけるプラットフォームとしての役割以外の「潜在的なミトコンドリアの活性と免疫応答との繋がり」を分子基盤に即して解明することを目的とした。最終年度は、ミトコンドリア内膜、及び外膜領域における免疫応答ゾーンの解析を中心に行った。最終年度は、ミトコンドリア内膜の形成に関わるタンパク質(PHB2)の抗ウイルス自然免疫(MAVSシグナル)における役割の解明に迫った。まず初めに、PHB2と特異的に結合し、MAVSシグナルの調節分子として機能する因子を網羅的に探索したところ、ミトコンドリア膜間スペースに局在するCLPBを同定した。CLPBのノックダウン細胞では、MAVSシグナルが著しく抑制され、PHB複合体も不安定であることが確認できた。次に、CLPBがPHB2と外膜タンパク質であるMAVSをどのように繋いでいるのかを探るために、これら三者全てと結合する新たな分子探索を行った。その結果、AKAP1とATAD3Aと呼ばれる二つのミトコンドリアタンパク質を発見することが出来た。その後の生化学的な実験により、AKAP1はミトコンドリア外膜に、またATAD3Aはミトコンドリア内膜を貫通するトポロジーであることが明らかになった。これら因子の発現抑制実験でもMAVSシグナルは抑制されていたことからも、PHB2はミトコンドリアを介した自然免疫応答ゾーンの中心的な分子であることを明らかにすることが出来た。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://www.sci.fukuoka-u.ac.jp/lab/chem/koshiba/
https://resweb2.jhk.adm.fukuoka-u.ac.jp/FukuokaUnivHtml/info/7556/R108J.html