Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
PhyloCSFを用いて新規ポリペプチドを同定していく過程において、p16/Arfと特徴が類似したポリペプチドを同定した。p16とArfは同一の遺伝子座から翻訳される。この遺伝子座は1st exonが異なる2つのmRNAアイソフォームを転写しており、それぞれp16とArfが翻訳される。興味深いことに、これら同じ遺伝子座から翻訳されるタンパク質は、どちらも癌抑制タンパク質である。p16はサイクリン依存性キナーゼ(CDK)の活性を抑制することにより細胞増殖を抑え、ArfはMDM2の機能を阻害することによりp53を安定化させる。われわれが新規に同定したポリペプチドも、p16/arfと同様に1st exonが異なる2つのアイソフォームを持ち、それぞれのアイソフォームから独立した2つのポリペプチドが翻訳されている可能性が示唆された。そこで、それぞれのORFのC末端にFLAG配列をノックインしたマウスを作製して、翻訳の有無を検討したところ、2種類の独立したポリペプチドが間違いなく翻訳されていることを確認した。また、免疫沈降と質量分析解析によって結合タンパク質を探索したところ、どちらのポリペプチドもVoltage-Dependent Anion Channel (VDAC)と非常に強い親和性で結合していることがわかった。VDACには3種類のアイソフォーム (VDAC1~3)が存在するが、VDAC3のノックアウト(KO)マウスは雄性不妊になることが知られている。そこで、これらポリペプチドを両方欠損するダブルノックアウトマウスを作製したところ、雄マウスは顕著な不妊をきたすことが判明した。そこで現在、このポリペプチドもp16/Arfと同様に発癌に寄与するかなどの検討を行っている。必要に応じて発癌を誘導するような刺激なども用いて検討を行っていく。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2020 2019 2018
All Journal Article (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 3 results, Open Access: 2 results) Presentation (5 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 2 results)
Scientific Reports
Volume: 10 Issue: 1 Pages: 5801-5801
10.1038/s41598-020-62697-2
Cell Research
Volume: 29 Issue: 8 Pages: 628-640
10.1038/s41422-019-0192-1
Cell Structure and Function
Volume: 43 Issue: 1 Pages: 75-83
10.1247/csf.18005
130006742309