Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
前庭破壊が運動効果獲得に及ぼす影響:運動中における前庭器官からの加速度入力が運動効果獲得にどのような影響を与えるのか検討するため、前庭破壊したラットを用いて慢性的なトレッドミル走運動を実施した。前庭破壊は、ヒラメ筋重量には影響がなかったものの、足底筋と腓腹筋では運動による筋重量増加を抑制した。足底筋において運動によって転写活性化される遺伝子の発現変化を調べた。PDK4やMuRF1のような骨格筋萎縮を誘発する遺伝子において、正常ラットでは慢性的な運動によって有意な発現低下が認められたものの、前庭破壊したラットではこのような遺伝子発現低下は起こらなかった。全身振動と運動の組み合わせによる相乗効果の検証:運動に加えて全身振動による加速度刺激を与えた場合、運動効果にどのような変化が起こるのか検討した。全身振動はトレッドミル走運動の前後に10分ずつ実施した。慢性的な運動により通常は体重ならびに体脂肪量の減少が誘発されるが、全身振動と組み合わせた場合、体重低下が起こらなかった。後肢筋重量は、運動のみではやや低下する傾向にあったが、全身振動と組み合わせた場合、有意に増加した。PDK4やMuRF1発現は運動のみで低下し、全身振動との組み合わせによりさらに低下した。以上の結果から、運動効果の獲得には前庭からの加速度入力が寄与していることが示唆された。したがって、重力の無い宇宙空間では運動効果の獲得が不効率であることが推察される。本研究における一連の研究成果から、『宇宙滞在の影響を受けにくい体質』をつくるためには慢性的な運動が有効であり、重力の感受量そのものがkey factorとなることを明らかにできた。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2018
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)
Journal of Applied Physiology
Volume: 125 Issue: 4 Pages: 1238-1245
10.1152/japplphysiol.00202.2018
Volume: 125 Issue: 4 Pages: 1097-1104
10.1152/japplphysiol.00074.2018