Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本年度は、画像スタイル変換を用いた視覚記憶のバイアスの検討、物体の粗さの視覚記憶のfMRIによる検討を行った。それぞれの研究実績は以下のとおりである。画像スタイル変換を用いた記憶バイアスの検討:記憶は、知覚した内容を不鮮明にしたものであるに留まらず、様々な歪み(バイアス)を持ち得ることが知られている。記憶バイアスはこれまでの研究で色や方位などの低次視覚特徴を用いて報告されているが、質感の場合にも記憶の歪みが生じるのかは知見が少ない。本研究は風景画像の質感(配色・テクスチャ)を題材に、その記憶バイアスについて検討した。深層スタイル転写の手法を用いて風景写真に絵画的スタイルを与えた刺激を用いて、調整法による質感の短期記憶課題と長期記憶課題を実施した。実験の結果、特定の絵画的スタイルに回答が偏る現象が見出され、偏りのパターンが短期記憶と長期記憶で異なることが示された。この結果は、質感の記憶もまた規則的な偏り(バイアス)を持つことを示唆する。粗さの視覚記憶の神経祈願:物体の粗さの視覚記憶メカニズムを解明することを目的とし、特にfMRIを用いて神経科学的側面から検討を行った。その結果、腹側高次視覚野と頭頂間溝が照明環境の変化に頑健な粗さ視覚記憶表象を表現することが分かった。また、保持中に視覚的な干渉を受ける状況下では、視覚処理に加えて触覚処理を行うことで干渉に対応している可能性が明らかになった。さらに、いずれの実験においても低次の視覚特徴を表現する初期視覚野の関与が見られなかった。したがってヒトは高次の表面の視覚情報を触覚情報と結びつけることで、日常生活において粗さの視覚記憶を頑健に行っていると考えられる。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Heliyon
Volume: 5 Issue: 12 Pages: e03032-e03032
10.1016/j.heliyon.2019.e03032
Journal of Textile Engineering
Volume: 64 Issue: 1 Pages: 11-18
10.4188/jte.64.11
130006730977
Journal of Vision
Volume: 18 Issue: 8 Pages: 1-16
10.1167/18.8.14
Attention, Perception & Performance
Volume: 81 Issue: 1 Pages: 296-309
10.3758/s13414-018-1593-9
http://www.cv.jinkan.kyoto-u.ac.jp/site/