Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
幼児は成長初期に母語に曝されることで、その言語が持つ音の特徴を識別する能力を獲得する。言語発達のメカニズムを理解するためのモデルとして用いられるキンカチョウなどの鳴禽類においても、幼少期の歌を聴く、という経験がその後の歌識別に必要である。このような言語や歌の識別能力が発達するためのメカニズムを理解するため、本研究では、分子・神経回路研究の手法が発達したキイロショウジョウバエを新たな「歌識別学習モデル」として用いることで、これらの機構の解明に取り組んだ。まず、キイロショウジョウバエが示す歌識別学習において、脊椎動物と同様に、(1)音経験が有効な「臨界期」と呼ばれる期間があるのか、(2)獲得した歌識別能力は生涯に渡って保持されるのか、という課題項目の解明を進め、結果を得ることができた。これにより、キイロショウジョウバエが固有に持つ歌識別学習の特性が明らかになった。また、キイロショウジョウバエの歌識別学習に関わる責任因子の同定も進めた。責任ニューロンとしてGABAニューロンが機能する、という以前の発見を基にして、intersection法によりGABAニューロンを脳と胸腹部神経節のどちらかに細胞体を持つか、を指標に分類した。さらに、脳のGABAニューロンを4種類の部分集団に分類した。次に、これらの部分集団を選択的に遺伝子操作可能なショウジョウバエ系統を作成した。また、歌識別学習の分子機構として記憶の制御に関わるcAMP情報伝達系に着目した解析を進めた。cAMP情報伝達系を構成するタンパク質をコードする遺伝子の発現を特定の細胞群で抑制するキイロショウジョウバエ系統を作成し、行動解析を行った。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Current biology
Volume: 30 Issue: 3 Pages: 396-407
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The Journal of comparative neurology
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BRAIN and NERVE
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Frontiers in Physiology
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The Journal of Neuroscience
Volume: 印刷中 Issue: 18 Pages: 4329-4347
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