Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
近年、不安障害や鬱病に因果的に関わると考えられる神経回路が、大脳辺縁系-基底核に広く分散して存在することがわかってきた。この「不安回路」の下流域には、側坐核 (NAc) や線条体ストリオソーム構造があり、ドーパミン (DA) 細胞に直接投射している。このことから申請者は、不安障害や鬱病に伴う罰の過大評価は NAc による DA 制御の異常によって引き起こされる、という仮説を立てた。この仮説を検証するために、罰の価値判断を定量的に評価できる接近回避 (Approach-Avoidance, Ap-Av) の葛藤課題をマカクザルに訓練する。課題遂行中に、化学遺伝学手法を用いて NAc から腹側被蓋野 (VTA) 内の DA 細胞へ至る経路を選択的に操作する。この操作により罰の価値判断がどのように変化するかを Ap-Av 葛藤課題を用いてを行動レベルで評価し、NAc-VTA 経路が「不安」状態の生成に因果的に関わることを示す。同時に DA 細胞応答を記録し、NAc-DA 制御を単一細胞レベルで分析する。また大脳基底核の広範囲な領野から、多点埋め込み電極によって神経活動を同時記録し「不安」状態の神経活動指標 を見つけ出す。鬱や不安障害に因果的に関わる局所回路が、どのように DA 応答を制御し、どのように「不安」状態が引き起こすのかを、ヒトと相同な脳構造を持つ霊長類において包括的に明らかにし、ヒトの精神障害の治療につながる神経操作技術の確立に寄与する。2019年度は、筆頭著者として2つの論文を出版(うち一つは責任著者)、共著者として2つの論文を出版した。また、12の口頭発表を行った。4つの競争的資金を獲得した。研究では、行動課題遂行中のマカクザルに化学遺伝学的手法を適用し、NAcの選択的な活動の抑制を行い、行動の変化と神経活動の抑制的変化を観察した。この研究成果を学会で発表した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2020 2019 2018 Other
All Int'l Joint Research (3 results) Journal Article (6 results) (of which Int'l Joint Research: 6 results, Peer Reviewed: 6 results, Open Access: 4 results) Presentation (21 results) (of which Int'l Joint Research: 9 results, Invited: 17 results) Book (2 results) Remarks (2 results)
Biological Psychiatry
Volume: 87 Issue: 5 Pages: 399-408
10.1016/j.biopsych.2019.08.022
Frontiers in Neuroscience
Volume: 14 Pages: 89-89
10.3389/fnins.2020.00089
120006826716
European Journal of Neuroscience
Volume: 51 Issue: 3 Pages: 731-741
10.1111/ejn.14555
Current Biology
Volume: 29 Issue: 1 Pages: 51-61.e5
10.1016/j.cub.2018.11.008
Neuron
Volume: 99 Issue: 4 Pages: 829-841.e6
10.1016/j.neuron.2018.07.022
Science Translational Medicine
Volume: 10 Issue: 425 Pages: 2742-2742
10.1126/scitranslmed.aan2742
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2018/180809_5.html
http://news.mit.edu/2018/neuroscientists-brain-caudate-nucleus-pessimism-decision-making-0809