Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
競走中に他者との位置関係によって変化する情動状態と運動出力との相互作用を媒介する神経経路を、超高磁場MRIによる高空間分解能を活かして詳細に理解することを目的として、2年間の公募研究を実施した。当初は競争中におけるダイナミクスまでを明らかにすることを考えていたが、よりシンプルな状況で辺縁系と運動回路の相互作用を扱うことにした。辺縁系と運動回路の相互作用を調べるために、期待金額を示す合図が出てから数秒後に素早くバーを握る課題を繰り返し行い、合図に応じた運動準備活動と、実行時の反応時間および最大握力を評価する課題を作成した。動機づけの程度を操作するために、成功に対して3段階の金銭的報酬(500円/50円/0円)を期待させる条件を設定した。これまでに述べ100名に及ぶ実験を通じて、期待金額が大きく動機づけが高まるほど、反応が速く強くなるという頑健なパフォーマンス特性を明らかにした。合図に伴う運動準備段階で一次運動野と腹側中脳が賦活し、これらの領域の活動量が運動実行時の最大握力と相関することも示した。追加実験として、外的報酬を与えない実験においても、運動準備段階で一次運動野と腹側中脳が強く活動するほど、直後の動作における最大握力が強いことを示した。従って、腹側中脳-運動野経路は外的報酬に限らず、意欲を運動へと変換する神経経路であることが示唆された。もう1つの提案課題は、7テスラMRIを用いた超高解像度での機能的MRIを実現することであった。現時点で、0.8mmの解像度でM1を含む皮質領域を計測する手法と、1.2mmの解像度で大脳基底核・脳幹領域を計測する手法を確立した。特に、上記の把握反応時間課題実況中に、脳幹領域の超解像度計測を行うことで、ドーパミン含有神経領域内での詳細な活動パターンの同定に成功している。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Presentation (6 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Invited: 1 results) Remarks (1 results)
http://www.igakuken.or.jp/neuroprosth/