Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
1.ヘリオバクテリア反応中心の極低温下での1分子分光:ヘリオバクテリア反応中心には一次電子受容体A0として、8(1)-OH-Chl aが2分子存在する。極低温下(6 K)においてChl a-A0の蛍光励起スペクトルを測定したところ、室温では670 nmのシングルピークを示していたが、2つのピークに分裂することが分かった。一方、米国グループが2017年に報告した高分解能データ(2.2オングストローム)は、ヘリオバクテリア反応中心は完全対称(C2対称)のホモダイマー型であることを示している。このことは、極低温下では分子の揺らぎが抑えられ、各分子はheterogeneityを示すが、アンサンブル標品で測定すると平均化されて区別されなていないことを意味する。つまり結晶構造かいせきでは平均化された座標を見ているが、1分子ずつを見ると左右対称に配置するChl a-A0とタンパクとの相互作用が異なり、それに伴ってエネルギー移動、電子移動の偏りが生じていることが明らかとなった(印刷中)。2.超高速分光による過渡吸収変化の測定:ヘリオバクテリア反応中心のサブピコ秒からナノ秒までの差吸収スペクトル(400-900 nm)の経時変化を丹念に調べた。励起波長としては670, 770, 810 nmを用い、励起光強度は5 nJ/pulse、レーザーパルスは1 kHzの繰り返し(1 msおきの照射)とした。現在、結果について解析中である(投稿中)。3.フーリエ変換赤外分光法(FTIR)によるキノール生成および光誘起構造変化の検出:膜標品を用いて光誘起FTIR差スペトルを測定したところ、1420 cm-1付近にキノール(QH2)に由来するかも知れない信号の蓄積を検出した。QH2由来の信号であるかどうかは、今後、13Cキノンへの置換等により信号がシフトすることを確認する必要がある
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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J. Phys. Chem. Lett.
Volume: - Issue: 10 Pages: 3980-3986
10.1021/acs.jpclett.0c00891
http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/~ohoka/index.html
http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/~ohoka/publications.html