Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
チエノイソインジゴ骨格を基本とし、分子両末端に熱によりディスオーダーするかさ高いアルキルシリル基を導入した分子を開発する。開発したチエノイソインジゴ分子は近赤外から赤外領域の光吸収特性を示す。単結晶構造を明らかにするとともに作製した単結晶トランジスタにこの領域の光を照射し、光熱変換現象を用いてアルキルシリル基のディスオーダーに基づく構造相転移(欠陥構造)を誘起する。結晶構造の変化を、トランジスタ特性(電流及び閾値電圧)の変化として捉える。
チエノイソインジゴ骨格はキノイド構造の寄与が大きく、近赤外光吸収特性を示す有用な骨格である。本年度はチエノイソインジゴ骨格を用いて、キノイド化したチエノイソインジゴ骨格の合成を試みた。ベンゼン環及びチオフェン環のグリニャール試薬を用いて、チエノイサチンの2量体への付加、還元反応を経由して、標的であるキノイド型チエノイソインジゴ骨格の合成に成功した。また単結晶構造解析を行い、結合交代や電子構造を詳細に調べキノイド構造の形成を明らかにした。またこのキノイド型チエノイソインジゴ骨格をベースに、ジケトピロロピロール骨格及びチエノイソインジゴ骨格との共重合ポリマーの合成に成功した。これらのポリマーは、狭いエネルギーギャップを持ち近赤外光吸収特性を示す。特にチエノイソインジゴをベースにしたポリマーは、電界効果トランジスタにおいてゲート電圧を印可することなく、比較的高い電気伝導性(10-3 S/cm)を示した。これはキノイド構造導入により、フロンティア軌道がポリマー鎖内での非局在化に起因することを明らかにした。現在の有機エレクトロニクスはバイオメディカル分野への応用研究が積極的に行われている。世界の研究の方向性を踏まえ、共役系を水素結合形成可能な側鎖で切断したモノマー(CBユニット)を、ポリマー主鎖中の特異構造と捉えて、この特異構造部位に収縮性を持たせる分子設計を行い新規ポリマーの合成に成功した。特に水素結合の強さとポリマー薄膜における応力緩和機構を調べた。その結果ユリア結合の導入が、応力緩和に効果的であることを見出した。さらに合成したポリマーはフルストレッチのトランジスタを作成したところ、伸縮に対して優れた移動度(10-1 cm2/vs)を示した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2020 Other
All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 3 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)
Nano Select
Volume: 1 Issue: 3 Pages: 334-345
10.1002/nano.202000053
Chemistry of Materials
Volume: 32 Issue: 13 Pages: 5700-5714
10.1021/acs.chemmater.0c01437
Small
Volume: 2020 Issue: 19
10.1002/smll.202001215