グラフェンの乱層構造に起因する特異物性の研究
Publicly Offered Research
Project Area | Materials Science and Advanced Elecronics created by singularity |
Project/Area Number |
19H04545
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 慶裕 大阪大学, 工学研究科, 教授 (30393739)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | グラフェン / 乱層積層 / 酸化グラフェン / 超高温プロセス / キャリア輸送特性 / 歪センサ / 吸収分光 / ナノ材料 / 結晶工学 / 薄膜物性 / キャリア輸送 / 乱層構造 / 欠陥修復 |
Outline of Research at the Start |
積層方向の周期性が乱れた特異構造である乱層グラフェンを合成し、単層グラフェンに類似した優れた物性を引き出す。乱層構造では、グラフェンシート層間の相互作用が抑制され、単層グラフェンに類似した電子構造が維持される効果を利用し、応用に適した多層グラフェンや3次元積層バルクグラフェンの電気的・熱的物性を飛躍的に向上させる。乱層・多層グラフェンは、酸化グラフェンの超高温熱処理やテンプレートグラフェン上化学気相成長という独自のプロセスで合成する。本研究により、単層グラフェンの優れた特性と多層グラフェンの容量の大きさを兼ね備えた新規ナノ炭素材料を創成し、今後のスケーラブルな応用展開への基盤が構築される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、積層方向の周期性が乱れた乱層構造をもつ多層グラフェンを合成し、そこから単層グラフェンに類似した優れた物性を引き出すことを目的とする。バルクスケールでの物性計測や応用展開を可能とするため、自立して超高温処理が可能なグラフェン積層体を大量合成可能な酸化グラフェン(GO)から作製した。作製には、凍結乾燥を利用した高空隙スポンジ状GOに加え、層間相互作用を制御したGO堆積膜の2つのアプローチで取り組んだ。スポンジ状GOから得られる多孔質グラフェンを利用して歪センサを構成し、その特性を検証した。超高温処理で欠陥密度を低減したことにより、歪センサの性能指標であるゲージファクタ(GF値)は従来の化学還元GOと比較して著しく向上した。さらにGOにカーボンナノチューブを添加すると機械的な耐久性が改善されることも見出した。ナノダイヤモンドをスペーサ材料として添加した濾過法によって緻密な自立堆積膜を作製した。スペーサ添加による層間隔制御効果をX線回折法で解析し、層間隔のランダム化を明らかにした。乱層グラフェンの光学特性解析に着手し、GOの熱処理で作製した多層・乱層グラフェンの吸収分光をおこなった。可視から遠赤外に至る広いエネルギー範囲で一定の吸光度となることを明らかにし、乱層構造での直線状の分散関係から期待される効果を実証した。キャリア輸送解析に適した絶縁物基板上の薄膜試料として、グラフェンテンプレート上にCVD法で低欠陥・乱層構造グラフェン薄膜を作製した。様々な条件での成長挙動解析から欠陥密度の低減やドメイン領域の拡大にむけた成長機構を提案した。得られたグラフェン試料でのキャリア輸送特性を磁場を印加した低温で計測し、弱局在によるホール抵抗変化を観測した。さらに、位相緩和長や弾性散乱長を解析し、ドメイン境界や欠陥密度で制限されていることを明らかにした。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(32 results)