Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
窒化物半導体は、発光素子の画期的な新材料として大成功を収め、次世代パワー素子の候補としても期待されている。しかし応用研究が推進される一方で、基礎物性の研究は未解決な問題が山積している。たとえば、デバイス性能に悪影響を与える点欠陥や転位をはじめとする種々の特異構造の密度が、典型的な半導体材料であるシリコンと比べると桁違いに多い。さらに、デバイス使用中に特異構造が増殖・拡散することが知られている。デバイス性能をよりよくするためには、これら特異構造の移動や変形を原子レベルで理解し、制御する必要がある。本研究では、量子力学の基礎方程式を理論的に解くことで、特異構造の移動・変形の理解を目指す。
近年,窒化ガリウム(GaN)半導体は次世代パワーデバイス材料として期待されている.しかし,応用研究が推進される一方で,基礎物性の研究は未解決な問題が山積している.特に,デバイス性能に悪影響を与える点欠陥や転位をはじめとする種々の特異構造が,デバイス作成時のアニール処理によって移動・変形することで偏析するという実験結果が数多く報告されている.特異構造偏析の問題を解決し,デバイス性能を担保するためには,まず偏析の原因である欠陥反応のミクロな機構を明らかにする必要がある.欠陥反応を理解するためには,注目する欠陥について,電子状態,振動状態,電子-格子相互作用をそれぞれ定量的に求める必要がある.中でも,電子-格子相互作用は,第一原理的な手法を適用するためには計算コストが大きいため,これまで欠陥を含む系を対象にした研究はほとんどなかった.本研究では,欠陥反応に寄与する格子振動の多くが局在モードであることに注目し,簡便な電子-格子相互作用算出方法を開発した.まず,その手法を用いて,もっとも基本的な系としてGa空孔欠陥(VGa)に注目し,電子状態,振動状態,および電子-格子相互作用を数値的に求め,VGaから別の複合欠陥(VN-NGa)への欠陥反応のミクロな過程を解析した.その結果,この欠陥反応が60 ns程度で起きることを明らかにした.次に,より大きな特異構造(VGa-VN)から,(VGa-VN)2への反応機構をみるために,それぞれの安定構造を計算した.熱力学的な考察から,個々の空孔欠陥同志の引力相互作用が具体的に0.4 nm程度の距離しか影響しないことを明らかにした.
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2020 2019 Other
All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 1 results) Presentation (11 results) (of which Int'l Joint Research: 9 results, Invited: 1 results)
Jpn. J. Appl. Phys.
Volume: 59 Issue: SG Pages: SGGK11-SGGK11
10.7567/1347-4065/ab658e
Japanese Journal of Applied Physics
Volume: 59 Issue: SG Pages: SGGK16-SGGK16
10.35848/1347-4065/ab6e07
120007019838