輻射・非輻射再結合の同時観測とそれに基づく特異構造の電子状態の理論モデル構築
Publicly Offered Research
Project Area | Materials Science and Advanced Elecronics created by singularity |
Project/Area Number |
19H04553
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
山口 敦史 金沢工業大学, 工学部, 教授 (60449428)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | InGaN量子井戸 / 組成揺らぎ / 内部量子効率 / 窒化物半導体 / 光物性 / 光音響 |
Outline of Research at the Start |
窒化物半導体光デバイスの発光層の混晶半導体には、組成揺らぎ、歪み、欠陥など周期性を乱す要因(特異構造)が混在しており、その材料物性は解明されていない。こうした材料の物性解明には、特異構造をもつ物性を様々な側面から実験的に調べ、それらの実験結果のすべてを説明するための理論モデルの構築が必要である。本研究では、「非輻射再結合の直接観察」がこの物性解明の突破口になり得ると考え、この実験から輻射・非輻射再結合寿命を正確に求め、研究を進めていく。さらに、他機関からの構造評価・光物性・電子状態計算の成果も踏まえ、理論モデルを結晶の周期性の乱れた系にまで拡張し、電子状態とキャリアダイナミクスを理解する。
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Outline of Annual Research Achievements |
多様な特異構造を含む窒化物半導体においては、そのキャリアダイナミクスを理解する上で、輻射再結合と非輻射再結合の2つの過程の各々のメカニズムを明らかにすることが重要となります。本研究では、同一の光励起条件下で、この2つの過程を同時計測する光音響・発光同時計測法を用い、特異構造内での内部量子効率を正確に求めることがキャリアダイナミクスの解明につながると考え、InGaN量子井戸の各種試料において、光音響・発光同時計測による内部量子効率の正確な測定の確立を試みました。その結果、(1)市販のLEDの活性層のInGaN量子井戸では非常に高い内部量子効率の値が得られた、(2)GaN基板上とサファイア基板上の試料で比較するとGaN基板上の試料の方が内部量子効率が高い、(3)内部量子効率の低い試料では光励起強度の増加ともに欠陥が埋まり効率が向上してくる、などの結果が得られた。さらに、これらの結果を時間分解PL測定と組み合わせて、輻射再結合寿命と非輻射再結合寿命を分離評価することも原理的に可能となりました。 また、上記の研究と並行し、時間分解PL測定やPLE測定、光励起誘導放出光測定など様々な光学実験の結果を理論モデル計算によって説明することを試みました。その結果、混晶組成揺らぎなどによるポテンシャル揺らぎに伴い状態密度を誤算関数と設定し、そのバンド内での速度方程式を考えることにより、ほぼすべての実験結果を説明できることがわかりました。さらに、このモデルでは説明できない極低温の領域(あるいはIn組成が高い領域)ではフェルミ準位の空間的不均一性を考慮するようなモデルの拡張を行えば、実験結果を説明できることもわかりました。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)