Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では、後周期遷移金属多核サンドイッチ錯体の構造に着目し、これを用いて非対称クラスターの設計・構築法を確立し、不斉分子認識や不斉触媒反応へ展開することを目指す。三核サンドイッチ構造に基づく非対称配位圏構築や二核サンドイッチ構造を用いた非対称配位圏構築に挑戦する。キラルな配位・反応場を有する講習期遷移金属サンドイッチ錯体が構築出来れば、新たな分子構造設計・開発やその応用研究へと期待できる。
本研究では、サンドイッチクラスターの構造ユニットを用いた非対称配位圏の設計・構築方法の確立を目的として研究に取り組んだ。主な成果として、カルコゲノフェンをm3-架橋配位子とする非対称サンドイッチ錯体の合成及び構造解明に成功した。ヘテロアレーン類の多核金属中心に対する配位挙動は金属表面上の吸着や分子変換反応の機構を理解する上で重要な知見となり得ることから興味が持たれている。本研究では、5員環ヘテロアレーンであるカルコゲノフェンのパラジウムクラスターを合成し、背面配位子の違いによりセレノフェン-パラジウム五核錯体およびセレノフェン-パラジウム三核錯体が生成することを見出した。X線結晶構造解析および計算化学的手法によってセレノフェンが配位するパラジウム三核部位の構造評価を行ったところ、五核錯体中の三核コアはPd(I)-Pd(I)とPd(0)からなる局在化構造と考えることが可能である一方、三核錯体中の三核コアは形式的酸化数+IIの[Pd3]2+非局在化構造であることがわかった。これらは本研究目的であるサンドイッチ構造に基づく非対称配位圏の構築手法・設計指針に関して進展を与えた。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2020 2019
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (4 results) (of which Invited: 1 results)
Chemistry - A European Journal
Volume: 26 Issue: 38 Pages: 8388-8392
10.1002/chem.202001796
Dalton Trans.
Volume: 48 Issue: 35 Pages: 13149-13153
10.1039/c9dt03073e