非対称ヒ素錯体の高次集積化による機能創発
Publicly Offered Research
Project Area | Coordination Asymmetry: Design of Asymmetric Coordination Sphere and Anisotropic Assembly for the Creation of Functional Molecules |
Project/Area Number |
19H04577
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
井本 裕顕 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 准教授 (40744264)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2020)
|
Budget Amount *help |
¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
|
Keywords | 金属錯体化学 / 構造有機化学 / 有機元素化学 / 不斉合成 / 合成化学 / 有機工業化学 / 無機工業化学 |
Outline of Research at the Start |
有機ヒ素化合物は、その合成に揮発性・毒性を有する前駆体を必要とすることから特別な合成設備を要する。そのため、従来は合成研究が忌避されてきた分野であった。申請者は、不揮発性前駆体を用いて安全性の高い合成ルートを開発することでブレークスルーを起こした。本研究では、非対称ヒ素配位子を合成する手法を確立する。「機能発現の中心的役割を担う金属」に対して、直接相互作用する配位点であるヒ素原子上に不斉を導入することで、機能と構造を最もシンプルに設計することのできる系を構築する。これによって生み出される非対称配位圏の可能性は、光機能・触媒作用・分子認識など枚挙に暇がない。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では高機能錯体を与えるヒ素配位子を非対称化し、これを高分子化あるいは超分子化することによって集積化した、高次・高機能非対称配位圏を構築することを目的としている。申請者はこれまでに、従来の有機ヒ素化合物合成における最大の課題であった、揮発性・毒性のある合成前駆体の使用を回避し、不揮発性前駆体からの合成ルートを開発してきた。これを最大限に活用し、本研究に取り組んだ。 計画1年目の昨年度に引き続き、ヒ素を不斉中心とする機能団の合成に取り組んだ。含ヒ素五員環共役分子であるアルソールの片側だけにベンゼンが縮環した非対称ベンゾアルソールを合成し、これをモノマーとする合成法を確立した。非対称ベンゾアルソールを主鎖あるいは側鎖に有する高分子の合成にも成功し、目的としていた非対称ヒ素ユニットを高次集積化することを達成した。非対称ベンゾアルソールの光学分割が可能であることも見出しており、キロプティカル特性などが期待できる。さらに、機能性ヒ素錯体の開発として、ヒ素を環骨格に有するアルサクラウンの合成に成功した。申請者は以前に、不斉ホスファクラウンに関する研究を行っていたが、空気に対する不安定性から取り扱いが困難であった。このアルサクラウンは、ヒ素の空気に対する安定性を反映して、不活性ガス雰囲気下でなくても取り扱うことができた。アルサクラウンは、ヒ素上に塩化金を配位することでアルカリ金属の取り込み能が向上する正のアロステリック効果を示すことや、塩化白金錯体の結晶がメタノールを選択的にセンシングできることを見出した。このように、本研究課題において、機能性ヒ素ユニットの高次集積化や新たな機能性ヒ素錯体の開発に成功した。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(2 results)
Research Products
(39 results)