Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
世界中で暗黒物質の探索実験が精力的に進められている。本命は10-1000GeV程度の質量を持つWIMP暗黒物質である。しかし、非常な努力に関わらずWIMP暗黒物質の兆候は直接には見つかていない。加速器実験においてもWIMP暗黒物質を理論的に導くSUSYなどの発見には成功していない。そこで、本研究はGeV以下の軽い暗黒物質に焦点を当てて、近年提案された暗黒物質との反応体として超伝導体を使う新しいタイプの検出器を実際に作り、その原理検証を行うことを目的としている。
前年度までに準備した評価システムを使い本研究が提案するアイディアの原理検証を行う予定であった。しかし、COVID-19蔓延のために、素子制作を大幅に遅れることになった。また、2度にわたる地震の影響で評価システムにダメージがあり修復にも時間がかかった。以上を踏まえて、今年度は超伝導体をターゲットにした新しい検出器のシミュレーションによるデザイン開発し、試作を容易にするためのリフトオフによる超伝導検出器作製過程の確立した。さらに、フォトマスク法とリフトオフ法による素子性能の検証を行い、最初はフォトマスク法による新しい検出器の試作を行った。試作した検出器に関して、超伝導素子(KID)が動くことを確認した。残念ながら、評価結果を次の試作に反映させることは遅延のためにできなかった。また、KamLAND検出器でのフロントエンド回路開発の経験を踏まえて、RF system-on-chipと呼ばれるADC, DAC, FPGA, CPUが一体となったチップでの超伝導素子読み出しを行った。多重読み出しへの優位性を示すところはまでは、進まなかったが、使用ロジック数から既存の読み出しシステムを凌駕できる可能性が十分になることを確認した。新たな試みとして、ターゲットの裏表に超伝導素子を取り付けることを考案した。試作機を作成して、裏と表の超伝導素子に性能の差がないことを確認した。この方法は将来に新しいバックグランド除去となる可能性がある。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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